セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-IEE2

タイトル 内P-75:

NBI併用拡大観察を行った0-IIb型微小胃印環細胞癌の2例

演者 馬場 洋一郎(鈴鹿中央総合病院・病理診断科)
共同演者 向 克巳(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 齊藤 知規(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 磯野 功明(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 田中 宏樹(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 岡野 宏(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 佐瀬 友博(鈴鹿中央総合病院・消化器内科), 松崎 晋平(鈴鹿中央総合病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】0-IIb型印環細胞癌は上部内視鏡検査において指摘されることは極めて稀である.今回,この稀な病変を2例指摘し,NBI併用拡大観察を施行し得たため,症例を提示する.【症例】(1)59歳女性.主訴は健診異常.上部消化管内視鏡検査において,胃体下部前壁に4mmの淡褪色粘膜領域を指摘された.(2)53歳女性.主訴は健診異常.既往歴は0-IIb型小印環細胞癌(7年前,幽門側胃切除後状態).上部内視鏡検査において胃底部大彎に4mmの淡褪色粘膜領域を指摘された.いずれも鉗子生検において印環細胞癌と診断され,精査加療目的に入院後,NBI併用拡大観察が行われた.治療は内視鏡的粘膜下層切開剥離術が施行された.NBI併用拡大観察では,いずれの病変も淡褪色領域に一致して,粘膜微細模様の漸次的消失を周囲に伴う走行不整・縮緬状形態を示す異常血管増生領域が認められた.術後材料での表面構造の検討では,病変と周囲粘膜との違いを指摘できなかった.病理組織診断はいずれも胃底腺の破壊や脈管侵襲を伴わない粘膜固有層に限局する病変であった.【考察】linitis plastica型胃癌を含む4型胃癌,遺伝性瀰漫性胃癌の初期病変と考えられる小・微小印環細胞癌を指摘することの意味は重い.病変を指摘する上で白色光観察での淡褪色域を認識することが最重要ではあるが,微小病変に対するNBI併用拡大観察は,病変確認の最も有効な手段であり,的確な内視鏡診断,生検組織採取に欠かせない手段であることを我々は確認した.
索引用語 印環細胞癌, NBI