セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-IEE2
|
タイトル |
内P-77:胃生検group2病変に対するNBI併用拡大内視鏡観察による質的診断能の検討
|
演者 |
吉田 尚弘(石川県立中央病院・消化器内科) |
共同演者 |
辻 重継(石川県立中央病院・消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】病理学的診断が困難であることを意味する胃生検group2(G2)病変に対するNBI併用拡大内視鏡(M-NBI)観察の質的診断能を評価することを目的とする.【方法】当院で2010年7月から2012年12月に行われたG2検体の胃生検時にM-NBI観察および質的診断(VS classification systemを使用)が施行され,かつその後に経過観察または治療が行われたものは59病変であった.この59病変から出血や粘液などでM-NBI診断が困難であった6病変と最終診断が不明であった7病変を除いた46病変を対象とした.検討項目としては病変因子(肉眼型,G2の理由)と最終診断(癌/非癌)に対するM-NBI観察の診断能(正診率,感度,特異度)の検討を行った.誤診例についてはM-NBI観察の経験が5年以上の熟練者が当時の静止画像から病変の質的診断を再度行い,当時の診断の妥当性を評価した.【成績】G2病変の肉眼型は隆起型:4病変(8.7%),平坦型:33病変(71.7%),陥凹型:9病変(19.6%)であり,G2の理由としては「炎症性変化が強く鑑別困難」が40病変(87.0%),「組織量が少ない」が3病変(6.5%),「組織の挫滅が強い」が3病変(6.5%)であった.M-NBI観察の診断能は正診率69.5%,感度35.3%,特異度89.7%であった.誤診は14病変(偽陽性:3病変,偽陰性:11病変)あった.熟練者による誤診病変の再評価では「診断の限界」が7病変(50%),「検査医の診断能力不足」が4病変(28.6%),「静止画の画像が悪く評価不能」が3病変(21.4%)であった.【結論】M-NBI観察による診断能では感度が特に低く,非癌が疑われた病変でもG2が判明した場合は,偽陰性の可能性を考え慎重な経過観察が必須と考えられた.またG2病変に対するM-NBI観察の誤診病変には診断限界例が多く含まれていた. |
索引用語 |
NBI, group2 |