セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-IEE2

タイトル 内P-78:

早期胃癌におけるNBI併用拡大内視像の病変内不均一性に関する検討

演者 川村 昌司(仙台市立病院・消化器内科)
共同演者 関根 仁(仙台市立病院・消化器内科), 菊地 達也(仙台市立病院・消化器内科), 境 吉孝(仙台市立病院・消化器内科), 長崎 太(仙台市立病院・消化器内科), 中込 悠(仙台市立病院・消化器内科), 高井 智(仙台市立病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年早期胃癌に対するNBI併用拡大内視鏡(NBI-ME)観察に関して有用性の報告やその分類が提唱されている.しかし実際の観察時には同一病変内にも様々な微細構造・血管が混在することが経験される.今回早期胃癌病変内の構造・血管の不均一性についてNBI-MEと酢酸NBI像を用いて検討を行ったので報告する.【方法】平成22年4月から平成25年1月まで当院にてESD治療を行った早期胃癌のうち画像の検討が可能であった110病変(分化型癌(単独/優勢)98例/未分化型癌(単独/優勢)12例)を対象とした.微細構造は観察される腺管開口部の形状によりpit(孔)/groove(溝)/absent(視認できない)とした.また微細血管像はmesh(網目)/loop(溝に取り囲まれたループ状)/wavy(不規則な波状)/absentに分類した.また術前の範囲診断Demarcation Line(DL)について切除病理組織との検討を行った.【結果】分化型癌の検討ではNBI-ME構造 (pit 0 /pit優勢混在型12 /groove 27 /groove優勢混在型38 /absent 8 /absent優勢混在型13),血管像(mesh 8 /mesh優勢混在型21 /loop 32 /loop優勢混在型28 /wavy 0 /wavy優勢混在型1 /absent 0 /absent優勢混在型8)であった.さらに酢酸NBI像ではpit 10 /pit優勢混在型23とpitが視認可能となる例が多くみられた.未分化型の検討ではNBI-ME構造はabsent優勢混在型,血管はwavy優勢混在型が多く,酢酸散布後も腺管開口部がみられないabsent優勢混在型がみられることが特徴であった.DLは混在型においても周囲粘膜に比しNBI-MEにてみられる不規則な構造・血管をとらえることにより範囲診断が可能(93.6%)であり,酢酸散布による上乗せ効果は明らかではなかった.また未分化型癌・顆粒状構造を呈する低異型度分化型癌においてDLの同定が困難な例がみられた.【結語】早期胃癌のNBI-ME像は単一の構造・血管よりも混在型が多くみられた.DLの同定にはNBI-ME像が有用であり,分化度に関してはNBI血管像と酢酸NBI像を用いることが有用と考えられた.
索引用語 NBI, 胃癌