セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-NSAIDs |
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タイトル | 内P-84:当院におけるNSAIDs潰瘍についての検討 |
演者 | 間野 真也(都立墨東病院・消化器内科) |
共同演者 | 石橋 史明(都立墨東病院・消化器内科), 上山 俊介(都立墨東病院・消化器内科), 外山 雄三(都立墨東病院・消化器内科), 古本 洋平(都立墨東病院・消化器内科), 村山 巌一(都立墨東病院・消化器内科), 堀内 亮郎(都立墨東病院・内視鏡科), 浅野 徹(都立墨東病院・消化器内科), 佐崎 なほ子(都立墨東病院・消化器内科), 忠願時 義道(都立墨東病院・消化器内科), 藤木 和彦(都立墨東病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】NSAIDsの使用機会の増加により,近年NSAIDs消化管障害も増加傾向にある.当院でのNSAIDs潰瘍の頻度・基礎疾患・治療を検討し,その対策について考察した.【方法】 当院にて2006年1月~2012年12月にNSAIDs潰瘍を生じた88症例について検討した.【結果】男女比は45:43と差はなく,平均年齢は67.9歳であった.NSAIDs潰瘍の部位としては,食道4例(4.0%),胃70例(69.3%),十二指腸11例(10.9%),小腸6例(5.9%),大腸10例(9.9%)と上部消化管障害が84.1%を占めていた.上部消化管症例でのピロリ菌陽性率は34.9%(15/43)であり,その46.7%(7/15)に除菌を施行してた.全症例中,クリップ止血を必要とした症例は19例(21.6%)であった.貧血の進行により輸血が必要であった症例は30例(34.1%)であり,穿孔を認めたのは2症例であった.基礎疾患としては,整形疾患が37例と最も多く,次いで膠原病が19例,心疾患が18例,悪性疾患が18例,腎疾患が10例,肝疾患が10例にみられた.原因薬剤としてはロキソプロフェン43.8%ともっとも多く,次いでジクロフェナクNa 20.8%,アスピリン16.7%であった.治療法としては,NSAIDsを中止しPPI投与を行ったものが38.6%と最も多く,次にPPI追加が19.3%,NSAIDs中止のみが9.1%,PG製剤追加が5.7%にみられた.【結論】当院の検討でもNSAIDs潰瘍は比較的高齢者に多く,内視鏡でのクリップ止血や輸血が必要となる症例も比較的多いため,重症となることも考慮し,早期の治療が重要と考えられた.整形疾患による上部消化管障害が多いが,PPI投与が無効である下部消化管障害もみられるため,治療法としてはNSAIDs中止に加え,PG製剤投与も有用であると考えられた.また,NSAIDs中止ができない症例では,PPI投与やPG製剤併用に加え,COX-2阻害薬への変更も有用であった. |
索引用語 | NSAID潰瘍, PG製剤 |