セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-SMT1

タイトル 内P-86:

同一部位にGISTと早期胃癌を併存した1例

演者 竹内 庸浩(川崎病院・消化器内科)
共同演者 青木 領太(川崎病院・消化器内科), 西田 悠(川崎病院・消化器内科), 野村 祐介(川崎病院・消化器内科), 前田 哲男(川崎病院・消化器内科), 多田 秀敏(川崎病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】消化管間葉系腫瘍の大半はGastrointestinal stromal tumor (GIST) であり,カハールの介在細胞を起源とする腫瘍であることが明らかになっている.近年,GISTの報告が増加してきたが,胃においてGISTと早期胃癌の併存例の報告はまだ少ない.【症例】70歳男性.【主訴】嘔吐.【現病歴】2011年9月中旬より嘔吐を認めたため当院受診した.【経過】上部消化管内視鏡検査で,胃体下部小弯前壁に約2cmの粘膜下腫瘍を認め,粘膜下腫瘍に連続するようIIa+IIc病変を認めた.同部の生検により高分化型管状腺癌と診断した.EUSでSM浸潤と診断し,早期胃癌および粘膜下腫瘍に対して外科的切除の方針となった.11月中旬に当院外科にて,開腹手術 (幽門側胃切除術,Billroth I型再建術) が施行された.切除標本で,胃体下部小弯に14×14×8mmの0-I病変と,その粘膜下に18×18×10mmの弾性硬の均一な腫瘍を認めた.病理組織学的所見で,0-I病変は,高分化型管状腺癌で,深達度は粘膜下層 (SM1)であった.第1群リンパ節 (No.3) に転移を1個認めた.Vas(-),Lym(+)で断端陰性で,fStage IBと診断した.また,胃癌粘膜下に併存する腫瘍はHE染色で紡錐形細胞が索状に配列しており,免疫組織染色でc-kit(+),CD34(+),desmin(-),S100(-)でRosaiの分類でuncomitted typeのGISTであった.核分裂数は0/50HPFであり,MIB-1 (Ki-67) labeling indexは5%未満であり増殖活性は低かった.なお,胃癌と粘膜下腫瘍には連続性はなかった.術後経過は良好で,合併症なく術後第25日に退院した.【まとめ】今回われわれは,同一部位にGISTと早期胃癌を併存したきわめてまれな1例を経験したので文献的考察を含めて報告する.
索引用語 GIST, 早期胃癌