セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-SMT2 |
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タイトル | 内P-90:20mm未満の粘膜下腫瘍に対する大径小径生検鉗子を用いたボーリング生検の有用性 |
演者 | 齊藤 俊介(福山市民病院・内科) |
共同演者 | 名和 徹(福山市民病院・内科), 友田 健(福山市民病院・内科), 辰川 匡史(福山市民病院・内科), 濱本 博美(福山市民病院・内科), 遠藤 久之(福山市民病院・腫瘍内科), 藪下 和久(福山市民病院・内科), 下江 俊成(福山市民病院・内科), 坂口 孝作(福山市民病院・内科) |
抄録 | 【背景】粘膜下腫瘍は正常粘膜に覆われ,通常の生検では組織採取できず.組織診断は容易ではない.また2008年に策定されたSMTの診断指診によれば,GISTと診断がつけばサイズに関わらず絶対的手術適応となっている.EUS-FNABにより,サイズの大きなSMT病変に対して組織診断は可能であるが,20mm未満の大きさではストロークも十分にとれず,組織採取も困難である.【目的】我々は以前より食道,胃,十二指腸でのSMTに対して,大径鉗子と小径鉗子を組み合わせたボーリング生検を施行してきた.今回EUS-FNAでの診断が比較的困難と考えられる,20mm未満の症例における有用性について検討した.【方法】2011年1月から2012年12月まで当院で上部消化管内視鏡検査を施行された患者で食道,胃,十二指腸にSMTを認めた169人171病変のうち,同一病変に対して大小径鉗子を組み合わせて3回以上生検を施行し,サイズが20mm未満の34病変と20mm以上の15病変において検討した.大小鉗子生検の手技は,まず大径鉗子(開口径8mm)で2-3回粘膜上皮を生検し上皮を摘除.その上皮の脱落した生検痕に小径鉗子(開口径6mm)を挿入し,数回生検(平均3.5回)することによりSMTそのものを生検する手技である.有用性については,生検組織にて病理診断にしたものを正診とし,その診断率で検討した.【成績】患者年齢,性差,部位,総生検回数では両群間で有意差は認めなかった.診断率では20mm未満群:20mm以上群で55.9%:46.7%(p=0.71)であり,20mm以上のサイズの群と比較しても診断率に有意差は認めなかった.当院でのSMTに対してのEUS-FNAの診断率は53%であり,サイズを考慮しても有用と考えられた.【結論】我々の検討ではEUS-FNAの困難なサイズのSMTにおいても,大小生検によって約半数が診断確定に至る可能性が示唆された.今後先端フードの装着等のデバイスの工夫により,更なるSMTの診断率の向上に寄与すると考える. |
索引用語 | SMT, GIST |