セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-SMT2

タイトル 内P-91:

当院における胃・十二指腸カルチノイドの臨床病理学的検討

演者 小坂 崇(岩手医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 遠藤 昌樹(岩手医大・消化器・肝臓内科), 安孫子 幸人(岩手医大・消化器・肝臓内科), 小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科), 久多良 徳彦(岩手医大・消化器・肝臓内科), 廣田 茂(岩手医大・消化器・肝臓内科), 千葉 俊美(岩手医大・消化器・肝臓内科), 滝川 康裕(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科), 上杉 憲幸(岩手医大・分子診断病理学), 菅井 有(岩手医大・分子診断病理学), 肥田 圭介(岩手医大・外科), 若林 剛(岩手医大・外科)
抄録 【目的】胃・十二指腸カルチノイドにおける当院での切除症例を基に治療成績,内視鏡切除の適応を検証すること.【方法】2002-2013年に切除した胃カルチノイド7例(平均年齢62.0歳,男性5例,女性2例),十二指腸カルチノイド6例(平均年齢61.3歳,男性5例,女性1例))を対象とした.内視鏡治療基準は,胃では10mm以下の少数のRindi分類TypeI病変,十二指腸では球部の10mm以下とした.【結果1:胃】Rindi分類TypeI5例,Rindi分類TypeIII1例,分類不能1例であった.病変部位は体部5例,幽門前庭部2例.腫瘍径は10mm以下が3例,11-19mmが3例,20mm以上が1例であった.治療はEMRを3例に施行し,深部断端陽性を1例認めた.外科的手術は4例に施行した(幽門側切除術1例,全摘術1例,部分切除術1例,腹腔鏡内視鏡合同手術1例).深達度はSM5例,MP1例で,リンパ節転移,他臓器転移は認めなかった.MIB1-indexは,1例が30.5%と高値を示したが,それ以外は2%以下であった.予後は1例に他病死を認めた.EMRを施行した1例は異時病変を認め内視鏡治療を検討中である.【結果2:十二指腸】病変部位は球部5例,下行脚1例.腫瘍径は10mm以下が4例,11-19mmが1例,20mm以上が1例であった.治療はEMRを5例に施行した.深部断端陽性を3例に認めた.外科的手術は乳頭部病変の1例に施行した.深達度はSM5例,熱変性による不明が1例であった.MIB1-indexは全症例が2%以下であった.【結論】胃・十二指腸ともに現在の内視鏡切除の適応で転移例は認めなかった.胃カルチノイドでは腫瘍径やRindi分類に基づいた治療方針決定が有効であると思われた.十二指腸カルチノイドでは手技的な問題に加え,リンパ節転移のリスクについても明らかでないため,症例の蓄積とともに治療方針のさらなる検討が必要である.
索引用語 カルチノイド, 内視鏡切除