セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-SMT2 |
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タイトル | 内P-92:非典型的内視鏡像を呈した消化管神経内分泌腫瘍の1例 |
演者 | 紺田 健一(昭和大病院・消化器内科) |
共同演者 | 村元 喬(昭和大病院・消化器内科), 小西 一男(昭和大病院・消化器内科), 片桐 敦(昭和大病院・消化器内科), 久保田 祐太郎(昭和大病院・消化器内科), 小林 祥也(昭和大病院・消化器内科), 矢野 雄一郎(昭和大病院・消化器内科), 木原 俊裕(昭和大病院・消化器内科), 東條 正幸(昭和大病院・消化器内科), 新村 健介(昭和大病院・消化器内科), 田川 徹平(昭和大病院・消化器内科), 矢持 淑子(昭和大・臨床病理診断学), 瀧本 雅文(昭和大・臨床病理診断学), 吉田 仁(昭和大病院・消化器内科) |
抄録 | 【症例】81歳,女性.子宮癌術後で当院婦人科通院中にCEAの上昇を認め,精査目的で当科紹介となった.上部消化管内視鏡検査では胃体中部前壁に約20mm大の褪色調の陥凹性病変を認めた.インジゴカルミン散布下観察では陥凹は明瞭であるものの,NBI拡大観察では陥凹内に明らかな微小血管構築像を認めず,一部で粘膜上皮下にシアン調の拡張した血管を認めることから,粘膜下腫瘍の存在が疑われた.超音波内視鏡検査で腫瘍は,第1-2層を主座とする低エコー腫瘤として捉えられ,第3層(SM)の一部非薄化を認めるものの明らかな断裂所見は認めなかった.生検結果は,免疫組織化学染色でシナプトフィジン(+),クロモグラニンA(-)であることから,カルチノイド腫瘍と診断した.CT上,明らかな転移は認めないものの,高ガストリン血症を伴い腫瘍径が20mmであることから,リンパ節転移の可能性を考慮し,幽門側胃切除術を施行した.病理組織所見はTubular adenomacarcinoma with neuroendocrine differentiation,pT1b(SM:500μm),ly0,v0,pN0,pPM0,pDM0,Ki-67(5-10%)であり,WHO 2010分類のNeiroendocrine tumor,NET G2と診断した. 【考察】神経内分泌腫瘍は粘膜深層に発生し,早期に粘膜筋板を越えて粘膜下層に浸潤するため発育形態としては粘膜下腫瘍様の発育を示す.一般的には,内視鏡的に粘膜の挙上として捉えられるのは腫瘍径が2mmの大きさからで,約5mmのものではbridging foldを認め,更に大きくなると表層の一部が脱落してdelleを生じ,進行すると潰瘍を呈すると考えられている.本症例では病変は20mm大と比較的大きいものの陥凹性病変と認識され,内視鏡的にカルチノイドの診断は困難であり,生検の免疫組織化学染色によって確定診断された. 【結語】非典型的内視鏡像を呈した消化管神経内分泌腫瘍の1例を経験したので,若干の文献的考察を含めて報告する. |
索引用語 | 消化管神経内分泌腫瘍, カルチノイド |