セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-SMT2

タイトル 内P-93:

胃カルチノイド腫瘍の臨床的取扱いにおける病型分類の有用性

演者 金城 譲(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科)
共同演者 鈴木 晴久(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 小田 一郎(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 池澤 伸明(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 春山 晋(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 高丸 博之(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 中村 佳子(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 佐藤 知子(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 関口 正宇(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 眞一 まこも(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 谷内田 達夫(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 山田 真善(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 曽 絵里子(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 阿部 清一郎(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 野中 哲(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 吉永 繁高(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科), 関根 茂樹(国立がん研究センター研究所・病理部), 谷口 浩和(国立がん研究センター中央病院・病理科), 九嶋 亮治(国立がん研究センター中央病院・病理科)
抄録 【目的】胃カルチノイド腫瘍は,2010年のWHO分類の改定にてKi-67指数2%以下のneuroendocrine tumor , grade 1(NET G1)と3~20%のgrade 2(NET G2)とに分類することになった.胃カルチノイド腫瘍の臨床的取扱いにおけるWHO分類(2010)を含む病型分類の有用性について検討する.【方法】1997年から2012年までに当院で経験した23例の胃カルチノイド腫瘍を対象に,WHO分類(2010),TNM分類と脈管侵襲,転移との関連を検討した.【成績】Rindi分類では,TypeI が15例(65%),TypeIIが1例(4%),TypeIIIが7例(30%)であった.RindiのTypeIのうち,1cm以上の1例は外科的切除が,1cm未満の14例のうち10例は内視鏡的切除(ER)が,4例は経過観察が行われた.TypeIIの1例は1cm未満で経過観察され,TypeIIIのうち5例は外科的切除が,2例はERが行われた.WHO分類(2010)ではNET G1が15例(65%),NET G2が8例(35%)で,TNM分類ではT1N0M0 StageIが19例(83%),T2N0M0 StageIIAが3例(13%),T2N1M0 StageIIIBが1例(4%)であった.1年以上経過を追えた20例(観察期間中央値73ヶ月)のうち,肝転移から原病死したNET G2(Ki-67指数12%)の手術例1例以外の19例は全て,再発・転移や原病死を認めなかった.脈管侵襲陽性は4例で,これに加えリンパ節転移と肝転移のいずれかが陽性であった症例は全6例であり,これらは全てNET G2またはT2の症例で,NET G2またはT2の全11例の55%を占め,12例のNET G1かつT1症例の0%に比し有意に高値であった(p<0.05).【結論】胃カルチノイド腫瘍の脈管侵襲や転移の予測には,WHO分類(2010)とTNM分類による総合的な評価が有用であると考えられた.
索引用語 NET, WHO分類2010