セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-SMT3

タイトル 内P-94:

粘膜下トンネルbloc生検法で得られた消化管粘膜下腫瘍の直視下内視鏡像の検討

演者 小原 英幹(香川大附属病院・消化器・神経内科)
共同演者 森 宏仁(香川大附属病院・消化器・神経内科), 藤原 新太郎(香川大附属病院・消化器・神経内科), 西山 典子(香川大附属病院・消化器・神経内科), 綾木 麻紀(香川大附属病院・消化器・神経内科), 谷内田 達夫(香川大附属病院・消化器・神経内科), 尾立 磨琴(香川大附属病院・消化器・神経内科), 筒井 邦彦(香川大附属病院・消化器・神経内科), 正木 勉(香川大附属病院・消化器・神経内科), 羽場 怜次(香川大附属病院・病理部)
抄録 【背景】消化管粘膜下腫瘍,以下SMTにおいて内視鏡直視下での色調,性状,硬さなどの腫瘍表面像(Endoscopic direct imaging: EDI)の特徴は未だ明らかにされていない.我々は,粘膜下トンネル法を用いて直視下にSMTを視認し,ブロック組織採取する手法として粘膜下トンネルbloc 生検法の有用性を報告してきた(Endoscopy.2012;44:197-8,Gastrointest Endosc 2013; 77:141-5). 本法は,腫瘍の由来層が判別可能であることに加え,腫瘍表面像を直視下に捉えることが可能という利点があり,将来発展性への可能性を秘めている【目的】診断的意義の大きいGISTと良性SMTのEDIを比較検討することで新たな内視鏡診断学の可能性を探る【方法】2011年11月~2013年3月までにbloc生検法にて最終病理診断が得られた20例のSMTを対象とし,GIST10例と良性粘膜下腫瘍10例(平滑筋腫5例, 異所性膵2例, 嚢胞2例,脂肪腫1例)を2群とした.各症例のEDIを見直し1.色調(Color)2.光沢(Glossiness)3.腫瘍表面の平滑さ (Smoothness)4. 識別可能な被膜(Visible capsule)5.切開メスを腫瘍に押し当てたときの硬さ(Cushion sign)の5所見を2群間で比較検討した【成績】Smoothness を除く4所見は,2群間で統計学的に有意差がみられた(P<0.05). GISTのEDIは,白色調,光沢に乏しい硬い腫瘍であった.平滑筋腫のEDIは,白色調,光沢あり,表面は平滑な柔らかい腫瘍であった.異所性膵のEDIは,黄色調,光沢あり,柔らかい多結節状の膵組織そのものの特徴を有していた【結論】SMTの直視下内視鏡像においてColor white,Glossiness,Visible capsule ,Cushion signはGISTと良性SMTの鑑別に有用であった.また, SMT疾患別の直視下内視鏡像の特徴を得ることができた.粘膜下トンネルbloc生検法と直視下内視鏡像の組み合わせは,新たな消化管粘膜下腫瘍の診断,治療戦略を生み出す可能性が示唆される.
索引用語 消化管粘膜下腫瘍, 直視下内視鏡像