セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-SMT3

タイトル 内P-95:

EUS-FNAによってGISTのリスク分類診断は可能か?

演者 馬淵 正敏(岐阜大・1内科)
共同演者 安田 一朗(岐阜大・1内科), 岩下 拓司(岐阜大・1内科), 土井 晋平(岐阜大・1内科), 上村 真也(岐阜大・1内科), 高松 学(岐阜大附属病院・病理部), 広瀬 善信(岐阜大附属病院・病理部), 森脇 久隆(岐阜大・1内科)
抄録 【背景】消化管粘膜下腫瘍(SMT)はEUS-FNAの主な適応の一つであるが,その代表的な疾患であるGastrointestinal stromal tumor (GIST)の診断においては,免疫組織学的な検討がその確定診断,リスク分類を用いた悪性度評価に必要となる.しかし,一般に用いられている22-gauge針ではしばしばこれらの検討を行うのに十分な検体量の採取が困難である.【目的】大口径針(19gauge針)を用いて採取したEUS-FNA検体と手術標本におけるGISTのリスク分類の相関について検討する.【方法】2004年5月~2012年8月までに当施設において19-gauge針を用いたEUS-FNAを行い,かつ外科的切除を施行したGIST症例をretrospectiveに抽出し,各症例におけるFNA検体と切除標本におけるリスク分類を比較検討した.【結果】対象は14例.男性7例,女性7例,年齢43~83歳,中央値68歳.病変の長径16~68mm(中央値33.5mm),短径10~61mm(中央値25mm).FNA検体におけるMIB-1 labeling indexを用いたrisk分類は低リスクが13例,高リスクが1例であり,切除標本における同risk分類と全例で一致していた.これに対して,Fletcher分類(F分類),Miettinen分類(M分類)については,EUS-FNA検体における細胞分裂数の評価が2例(14.2%)で検体量不足(高拡10視野以上観察不能)のため行えず,12例について評価したところ,F分類:超低/低/中間/高 1/9/0/2例,M分類:none/very low/low/moderate/high 1/9/0/0/2例であった.FNA検体でF分類低リスク,M分類very lowに分類されていた2例(16.7%)が,切除標本ではF分類中間リスク,M分類moderateに分類された(Kappa係数[標準誤差]0.68[0.19]).いずれの分類でも高リスクに分類された2例は,ともに再発を来している.【結語】19gauge針を用いたEUS-FNAによるリスク分類評価は86%で可能であり,切除標本での結果と高い相関が得られた.GISTのリスク分類評価は,19gauge針を用いたEUS-FNAによって術前にある程度可能と考えられた.
索引用語 EUS-FNA, GIST