セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-胃炎

タイトル 内P-100:

当院における鳥肌胃炎の検討-ペプシノーゲンを中心に-

演者 西川 泉(国保日高総合病院・1内科)
共同演者 中田 博也(なかた消化器・内科クリニック), 篠永 卓郎(国保日高総合病院・1内科), 寺杣 智志(国保日高総合病院・1内科), 松谷 泰好(国保日高総合病院・1内科), 川西 幸貴(国保日高総合病院・1内科), 留置 辰治(とめきクリニック), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 岡 正志(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科), 東 克彦(国保日高総合病院・1内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【背景・目的】鳥肌胃炎はHelicobacter pylori(HP)感染により生じる胃炎の一つであり,近年,未分化型胃癌の高危険群として認識されているがその詳細は未だ明らかではない.また本邦において,単施設で検討した報告例は少ない.そこで我々は,96例の鳥肌胃炎症例を血清Pepsinogen(PG)等を用いて解析した.【対象・方法・結果】当施設における過去6年間(2006年1月~2012年12月)の上部消化管内視鏡検査で,96例の鳥肌胃炎を診断した.男性28例女性68例で女性に多い傾向にあり,年齢は13~77歳の平均48.7±14.9歳,HPは94例(97.9%)が陽性であった.また,消化器症状を有した症例は66例(68.8%)であり,消化性潰瘍の合併は22例(22.9%),さらに胃癌5例(5.21%)の合併を認め全例が胃体部に発生した未分化型胃癌であった.PGを測定しえたのは65例であり,PG1とPG2の平均値は各々64.40,25.33ng/mLでありPG1とくにPG2が高値を示した.またPG法陽性は27/65例(41.5%)であり,PGを測定しえた胃癌症例の全てがβ群(PG1>70かつPG1/2>3)あるいはγ群(PG1>70かつPG1/2≦3)であった.【結論】未分化型胃癌の高危険群とされる鳥肌胃炎に対してPG判定は有効であるとは言い難い.PGを測定しえた胃癌症例は全てPG法陰性であり,しかもβ・γ群といった胃炎の活動性が強い症例でおきると考えられ,鳥肌胃炎ではPG法陰性症例についても慎重に観察すべきであろう.
索引用語 鳥肌胃炎, ペプシノーゲン