セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-胃炎 |
---|---|
タイトル | 内P-101:Helicobacter pylori除菌前後でのauto-fluorescence imagingでみた萎縮性胃炎の広がりの変化 |
演者 | 伊藤 貴史(大阪府立成人病センター・消化管内科) |
共同演者 | 上堂 文也(大阪府立成人病センター・消化管内科), 松浦 倫子(大阪府立成人病センター・消化管内科), 藤井 基嗣(大阪府立成人病センター・消化管内科), 山階 武(大阪府立成人病センター・消化管内科), 鼻岡 昇(大阪府立成人病センター・消化管内科), 竹内 洋司(大阪府立成人病センター・消化管内科), 東野 晃治(大阪府立成人病センター・消化管内科), 石原 立(大阪府立成人病センター・消化管内科), 飯石 浩康(大阪府立成人病センター・消化管内科) |
抄録 | 【目的】自家蛍光内視鏡(auto-fluorescence imaging :AFI)で胃体部を観察すると,萎縮・腸上皮化生のない胃底腺粘膜は紫色の領域として観察され,H. pylori感染による萎縮・腸上皮化生を認める粘膜は緑色の領域として観察される.今回,H. pylori除菌の前後で,AFIで観察される緑色域のひろがりが変化するかどうかを検討した.【方法】2003年4月から2005年12月までに早期胃癌に対して内視鏡的粘膜切除術(EMR)あるいは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われ,除菌前後でAFIによる体部の観察が行われていた47例を対象とした.EMR/ESD後にH. pylori除菌治療を行い,EMR後の経過観察の内視鏡検査時にAFIを用いて体部を観察し,緑色域のひろがりを評価した.萎縮の範囲はAFIでみた体部の緑色域の広がりを木村・竹本分類に準じてC-1,C-2,C-3,O-1,O-2,O-3に分類した.対象例の体部の見下ろしと反転のAFI画像をランダムに並び替え,二人の内視鏡医が別々に緑色域のひろがりを診断した.診断が異なった場合は二人で討議し合意したものを最終診断とした.二人の評価者による同一画像の一致率が50%であったため,緑色域のひろがりが2段階以上変化したものを変化ありと判定した.【成績】47例のうち,EMR/ESD後の瘢痕が体部小彎に存在した4例と,見下ろしまたは反転の一方向しか記録されていなかった4例を除外した,39例を解析した.そのうち33例がH. pylori除菌に成功し,6例は除菌失敗あるいは未治療例であった.観察期間中央値は53ヶ月(13ヶ月-81ヶ月)であった.除菌に成功した33例中,緑色域の範囲は3例で縮小し,2例で拡大した.除菌失敗あるいは未治療の6例中,緑色域の範囲は1例で縮小し,1例で拡大した.【結論】H. pylori除菌前後でAFI所見でみた萎縮性胃炎のひろがりの変化には一定の傾向を認めなかった.組織を含めた,より精度の高い検査法での評価が望まれる. |
索引用語 | Helicobacter pylori, AFI (auto-fluorescence imaging) |