セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-潰瘍

タイトル 内P-103:

出血性消化性潰瘍患者に対するPPIの有効性の検討 -エソメプラゾールvsオメプラゾール-

演者 田部井 弘一(杏林大付属病院・3内科)
共同演者 徳永 健吾(杏林大付属病院・3内科), 太田 博崇(杏林大付属病院・3内科), 落合 一成(杏林大付属病院・3内科), 新井 健介(杏林大付属病院・3内科), 倉田 勇(杏林大付属病院・3内科), 内田 康仁(杏林大付属病院・3内科), 畑 英行(杏林大付属病院・3内科), 蓮江 智彦(杏林大付属病院・3内科), 土岐 真朗(杏林大付属病院・3内科), 田中 昭文(杏林大付属病院・3内科), 高橋 信一(杏林大付属病院・3内科)
抄録 【目的】出血性消化性潰瘍の急性期には,内視鏡的治療とともに酸分泌抑制薬の投与が推奨されている.PPIは急性期の止血の補助から退院後の予後観察時まで幅広く使用されている.エソメプラゾール(EPZ)の特徴は高い胃酸分泌抑制効果である.しかし,わが国において消化性潰瘍に対するEPZの有効性に関する報告は無い.そこで,我々はオメプラゾール(OPZ)を対照薬とし,EPZの有効性を無作為化並行群間比較試験にて検討した.【方法】2012年1月1日~2013年1月31日の間に当院に救急搬送された連続する出血性消化性潰瘍患者21例に対して患者本人の自由意思による文書同意を行った.内視鏡的治療後に静注用OPZ 40mg/日を3日間投与した後に無作為割り付けを行い,EPZ20mg/日,またはOPZ20mg/日を4週間経口投与し,投与終了後の消化性潰瘍の治癒率,縮小率を内視鏡的に観察した.また,CYP2C19別,H.pylori有無別に解析を行った.【成績】本試験に登録された21例の内訳はEPZ群:9例(男女比6:3),OPZ群:12例(男女比7:5)であった.平均年齢はEPZ群:63.4±16.6歳,OPZ群:61.3±16.3歳であった.H.pylori陽性例はEPZ群:5例(55.5%),OPZ群:7例(58.3%),NSAIDsの服薬はEPZ群:5例(55.6%),OPZ群:8例(66.7%),多発性潰瘍の割合はEPZ群:2例(22%),OPZ群:3例(25%)であった.CYP2C19の遺伝子多型はHomo-EM,Hetero-EM,PMの順に,EPZ群(5:4:0),OPZ群(3:7:2)であった.4週後の治癒率はEPZ群:100%(9例/9例),OPZ群:58%(7例/12例),縮小率はEPZ群:100%,OPZ群:93.7%であった.CYP2C19別の治癒率はHomo-EM,Hetero-EM,PMの順に,EPZ群(100%:100%:PM例は無し),OPZ群(66.7%:75.0%:100%)であった.【結論】出血性消化性潰瘍に対する内視鏡的治療後のEPZの有効性が確認された.
索引用語 出血性消化性潰瘍, エソメプラゾール