セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-潰瘍

タイトル 内P-104:

H. pylori・非NSAID出血性潰瘍の病態

演者 繁田 貴博(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科)
共同演者 今井 幸紀(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 菅原 通子(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 塩川 慶典(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 藤井 庸平(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 内田 義人(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 打矢 紘(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 平原 和紀(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 中澤 学(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 近山 琢(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 渡邊 一弘(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 水野 芳枝(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 吉野 廉子(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 安藤 さつき(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 濱岡 和宏(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 本谷 大介(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 稲生 実枝(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 中山 伸朗(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 岡 政志(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科), 持田 智(埼玉医大病院・消化器内科・肝臓内科)
抄録 【目的】最近,出血性胃十二指腸潰瘍の症例におけるH. pyloriの感染率が低下しており,非H. pylori・非NSAID症例の比率が増加している(JDDW2012発表).そこで,今回はこれら症例の病態を明らかにするために,その臨床像および内視鏡所見をH. pyloriによる潰瘍例およびNSAID潰瘍例と比較した.【方法】対象は2011年1月から2013年2月までに出血性胃十二指腸潰瘍で入院した114例.H. pylori感染とNSAID服用の有無に基づいて3群に分類し,患者背景,病変の部位,個数,大きさを比較した.【成績】H. pylori群は52例,NSAID群は41例,非H. pylori・非NSAID群は21例で,年齢(中央値)はそれぞれ65,72,70歳,男女比は42 : 10,28 : 13,16 : 5で,何れも差異は見られなかった.消化性潰瘍の既往はH. pylori群では12例(23%),NSAID群では10例(24%)に対して,非H. pylori・非NSAID群は9例(43%)で高率である傾向が認められた.基礎疾患では慢性腎不全が非H. pylori・非NSAID群で5例(24%)で見られ,他の2群に比して有意に高率であったが,脳血管障害,心疾患,糖尿病,COPD,肝硬変,悪性腫瘍の頻度には差異が見られなかった.潰瘍の部位(胃U/M/L/十二指腸)はH. pylori群が夫々 2/35/2/13例,NSAID群が1/28/3/9例,非H. pylori・非NSAID群が0/14/1/6例で差異はなかった.また,潰瘍の数(1/2/3以上)は夫々42/6/4例,35/2/4例,16/1/4例,大きさ(5 mm以下/6-19 mm/20 mm以上)は14/21/17例,14/12/15例,5/8/8例で,何れも3群間で同等であった. 【結語】非H. pylori・非NSAIDの出血性潰瘍は,内視鏡所見に関してはH. pylori群およびNSAID群と差異が見られないが,慢性腎不全の症例が多く,潰瘍の既往が高率であるなど臨床像が異なっていた.これら背景を有する症例では出血性潰瘍の予防策が必要である.
索引用語 出血性胃十二指腸潰瘍, 非H.pylori非NSAID