セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-潰瘍

タイトル 内P-106:

制酸剤内服中に発症したNSAIDs起因性出血性胃十二指腸潰瘍の検討

演者 神野 秀基(三豊総合病院・消化器科)
共同演者 守屋 昭男(三豊総合病院・消化器科), 榮 浩行(三豊総合病院・消化器科), 吉田 泰成(三豊総合病院・消化器科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院・消化器科), 遠藤 日登美(三豊総合病院・消化器科), 加地 英輔(三豊総合病院・消化器科), 幡 英典(三豊総合病院・消化器科), 今川 敦(三豊総合病院・消化器科), 中津 守人(三豊総合病院・消化器科), 安東 正晴(三豊総合病院・消化器科)
抄録 【目的】近年,高齢者の増加にも関連して,低用量アスピリンを含むNSAIDsが使用されることも多い.同時にNSAIDsによる消化管粘膜障害もよく知られるようになり制酸剤の予防投与が行われるようになっているが,PPIまたはH2RA等の制酸剤が投与されているにも関わらず出血性胃十二指腸潰瘍を合併する症例も散見される.今回,われわれは制酸剤内服中に発症したNSAIDs起因性出血性胃十二指腸潰瘍の臨床的特徴について検討した.【方法】2010年4月から2013年3月までに当院で緊急内視鏡的止血術が施行されたNSAIDs起因性出血性胃十二指腸潰瘍56例(男性38例,女性18例,平均年齢72.9±12.7歳)における制酸剤内服群(13例)と非内服群(43例)を比較した.【成績】2群間で基礎疾患の有無(100% vs. 70%,P=0.026),院内発症(46% vs. 12% ,P=0.013) について有意な差が認められた.内服群において入院時血圧は有意に低く(102±24mmHg vs. 116±22mmHg ,P=0.042),輸血を必要とすることが多く(92% vs. 58% ,P=0.042),入院期間も長期であった(30.5±30.2日vs. 12.7±9.9日,P=0.002).また,内服群において初回止血成功率は低く(69.2% vs. 88.4% ,P=0.189),再出血率(30.8% vs. 9.3% ,P=0.074),死亡率(23.1% vs. 4.7% ,P=0.076) は高い傾向が認められた.【結論】NSAIDs起因性出血性胃十二指腸潰瘍において,制酸剤内服中に発症した症例に対しては治療に難渋する可能性があることを念頭に置くべきであると考えられた.
索引用語 NSAIDs起因性出血性胃十二指腸潰瘍, 制酸剤