セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-胃癌1

タイトル 内P-107:

当院におけるESD施行された生検診断Group3病変の臨床病理学的検討

演者 山口 敏紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
共同演者 桑井 寿雄(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 保田 和毅(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山下 賢(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 檜山 雄一(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 水本 健(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 木村 治紀(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 山口 厚(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 河野 博孝(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科), 高野 弘嗣(国立呉医療センター・中国がんセンター消化器科)
抄録 【目的】術前生検でGroup3 (腺腫) と診断された病変を内視鏡的切除した場合,術後病理診断が癌であることをしばしば経験する.今回われわれは術前生検にてGroup3 (腺腫) と診断され,ESDを施行し術後病理診断が腺腫であった群と癌であった群を比較し,その臨床病理学的特徴について検討した.【方法】2007年9月から2012年9月の間に,術前生検にてGroup3 (腺腫) と診断され当科にて内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) を施行した171例208病変 (男性127例,女性44例,平均年齢71.6歳) を対象とした.ESD後の最終病理診断が腺腫であったA群 (150病変) と癌であったB群 (58病変) に分類し,その内視鏡所見や術前生検の異型度など臨床病理学的特徴について比較検討した.また,病理診断に関しては,術前生検および術後最終病理診断ともに当院の同一病理医において施行されている.【成績】性別,年齢といった背景因子,および部位,形態に関しては両群間に差はみとめなかった.腫瘍径に関してはB群はA群より有意に大きく,さらに20mm以上の病変では10mm未満の病変より極めて有意にB群の比率が高かった.また,色調所見に関しては赤色調の病変は褪色調の病変に比べ有意にB群の比率が高かった.術前生検では高度異型病変は軽度異型病変に比べ有意にB群の比率が高かった.これら有意差をみとめた腫瘍径,色調所見および異型度を組み合わせると,腫瘍径20mm未満,褪色調,軽度異型であった14病変は全例腺腫であった.【結論】腫瘍径20mm以上,色調が正色~赤色調,あるいは術前生検で中~高度異型腺腫のいずれかの所見をみとめた場合は癌である可能性が考えられ,ESDを試みるべき病変であることが示唆された.
索引用語 Group3, 腺腫