セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-胃癌1 |
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タイトル | 内P-108:潰瘍合併早期胃癌の臨床病理学的特徴の検討 |
演者 | 石川 寛高(がん研有明病院・消化器センター) |
共同演者 | 藤崎 順子(がん研有明病院・消化器センター), 清水 智樹(がん研有明病院・消化器センター), 岡本 恒平(がん研有明病院・消化器センター), 森重 健二郎(がん研有明病院・消化器センター), 富田 英臣(がん研有明病院・消化器センター), 堀内 裕介(がん研有明病院・消化器センター), 吉澤 奈津子(がん研有明病院・消化器センター), 松尾 康正(がん研有明病院・消化器センター), 大前 雅実(がん研有明病院・消化器センター), 平澤 俊明(がん研有明病院・消化器センター), 石山 晃世志(がん研有明病院・消化器センター), 山本 頼正(がん研有明病院・消化器センター), 土田 知宏(がん研有明病院・消化器センター), 五十嵐 正広(がん研有明病院・消化器センター) |
抄録 | 【はじめに】胃癌治療ガイドライン第3版では,UL(+)であっても脈管侵襲陰性で3cm以下の分化型粘膜内癌はESD適応拡大病変とされているが,UL(+)早期胃癌のESDは手技的難易度が高く,不完全切除や切除時間延長の要因となることが多い.またULの有無は根治性の判断に関わっており,結果的にUL(+)早期胃癌は追加外科切除が必要となる割合が高いため,その臨床病理学的特徴を理解したうえで十分な術前診断を行い,治療方針を決定する必要がある.【目的】UL(+)早期胃癌の臨床病理学的特徴を明らかにする.【対象・方法】2005年から2011年に当院でESDが施行された早期胃癌1519例のうち,ESD後の標本で病理学的に潰瘍瘢痕ありと診断されたUL(+)早期胃癌217例を対象とし,UL(-)早期胃癌1302例との比較を行った.また217例のうち,最終病理診断によりESD適応外と診断された69例(31.8%)について,非治癒切除の要因を検討した.【結果】UL(+)早期胃癌はUL(-)早期胃癌と比べ,肉眼型は陥凹型が多く〔189/217(87.1%):876/1302(67.3%)〕,粘膜下層浸潤癌の割合が高かった〔(67/217(30.9%):146/1302(11.2%)〕.また平均腫瘍径は大きく〔18.7mm:14.8mm〕,治癒切除率は低率であった〔145/217(66.8%):1149/1302(88.2%)〕.ESD適応外と診断された69例の最も多い非治癒切除の因子は深達度であり,38例が深達度SM2であった.次いで腫瘍径が30mmを超えた症例が24例,組織型が未分化の症例が12例であった.深達度SM2かつ腫瘍径が30mmを超えていた症例は6例であった.【結語】UL(+)早期胃癌はUL(-)早期胃癌と比べ,粘膜下層浸潤癌の割合が高く,腫瘍径も大きいことから術後にESD適応外と診断される割合が高い.また粘膜下層の線維化により手技的側面からみてもESD困難例が多いため,術前に十分な深達度診断や範囲診断を行ったうえで治療方針を決定することが重要である. |
索引用語 | ESD, 潰瘍合併早期胃癌 |