セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-胃癌1

タイトル 内P-111:

粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌の2例

演者 西山 竜(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
共同演者 白木 聡子(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 杉田 馨里奈(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 横田 崇(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 久野木 直人(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中川 太一(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 小林 駿(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大久保 理恵(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 赤井 祐一(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 小川 眞広(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中島 典子(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 絹川 典子(駿河台日本大病院・病理科)
抄録 粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌は全胃癌の1%前後であり,術前正診率は60%とされ,確定診断に苦慮する症例が多い.また病理組織学的には粘液癌,粘膜下胃所腺から発生する癌,lymphoid stromaを伴う癌などに分類される.今回われわれは粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌の2症例を経験したので臨床経過,画像所見,病理組織学的所見について比較検討し,若干の文献的考察を加え報告する.【症例1】60歳,男性.最終診断はEBウィルス関連胃癌.【症例2】72歳,男性.最終診断は粘膜下異所性胃腺から発生の胃癌.【結果】発見はそれぞれ10年前,7年前であり,粘膜下腫瘍様隆起として長期間経過観察されていた.いずれも消化管内視鏡検査所見上,最終的に腫瘍の増大,隆起表面に潰瘍形成を認め,形態に変化がみられた.超音波内視鏡検査ではいずれも第2~3層に存在する無~低エコー腫瘤として描出されていた.生検による病理組織学的所見では症例1では潰瘍部からの組織より低分化型腺癌と診断できたが,症例2では潰瘍部からの生検結果がGroup2であったため,治療的診断目的に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われ最終診断を得た.治療は症例1では術前検査で胃周囲のリンパ節腫大が認められたため,術前診断はstage IIAとし,外科にて腹腔鏡下胃切除術を行った.症例2ではESDの切除検体において,水平,垂直断端陰性であったがリンパ管侵襲陽性であったため外科にて追加胃切除を行った.【考察】粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌は確定診断に苦慮する症例が多いことから,経過観察中にサイズの増大,潰瘍形成など形態の変化をきたしたならば,積極的な組織診断を考慮すべきであると思われた.また胃粘膜下腫瘍の経過観察では粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌を念頭に置きEUS等による精査を行うことは重要であると思われた.
索引用語 粘膜下腫瘍様, 胃癌