セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-胃癌2

タイトル 内P-113:

超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)により診断し得た,胃がん術後10年目にリンパ節再発した例

演者 内山 崇(茅ヶ崎市立病院・消化器内科)
共同演者 栗山 仁(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 鈴木 章浩(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 鹿野島 健二(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 桑原 洋紀(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 冬木 晶子(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 松浦 哲也(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 谷口 礼央(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 村田 依子(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 秦 康夫(茅ヶ崎市立病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】近年の胃癌症例では5年以降の再発は決してまれではなくなってきているが,10年以降の再発となると比較的まれである.また10年以降の晩期再発では切除胃癌の再発のほかに,残胃に新生あるいは残存した異時性多発胃癌も含まれることが多く,リンパ節再発となると,頻度はさらに少なく,診断に苦慮する症例も存在する.今回我々は胃がん術後10年目に生じた,傍大動脈リンパ節再発を超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)により診断し得た1例を経験したので報告する.【症例】83歳女性,10年前に胃がんに対して幽門側胃切除術を施行された.その後,肝細胞癌に対して肝動脈化学塞栓術,ラジオ波焼却療法を繰り返していた.肝細胞癌の治療中にCT検査で,傍大動脈リンパ節腫脹を認めた.当初,肝細胞癌のリンパ節転移を強く疑い,リンパ節切除を検討していたが,EUS-FNAによりAdenocarcinomaと診断され,10年前の胃がん組織と同様の組織像を呈したため,胃がんのリンパ節再発と診断,胃がんに対する化学療法を施行した.【考察】胃がんの術後10年以降の再発例は比較的まれであり,当初,治療を継続していた肝細胞癌のリンパ節転移をうたがっていた.本症例ではCT・MRI画像所見のみで鑑別することはできず,確定診断のためには病理組織診断が必要であった. EUS-FNAにより胃がんのリンパ節再発と診断できたことにより,胃癌に対する適切な化学療法を選択することが可能であった.EUS-FNAは組織が採取でき,正診率も高く,また癌の組織系や病型,病態を診断することも可能である.鑑別が困難な病変に対して積極的にEUS-FNAをおこなうことが好ましいと考えられた.
索引用語 胃がん, 再発