セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-胃癌2 |
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タイトル | 内P-115:幽門狭窄を伴う切除不能胃癌における内視鏡下胃十二指腸ステント留置術の有用性 |
演者 | 谷口 博一(関西労災病院・外科) |
共同演者 | 田村 茂行(関西労災病院・外科), 竹野 淳(関西労災病院・外科), 日馬 弘貴(関西労災病院・外科), 橋本 直佳(関西労災病院・外科), 松下 克則(関西労災病院・外科), 革島 洋志(関西労災病院・外科), 向井 洋介(関西労災病院・外科), 濱中 美千子(関西労災病院・外科), 向坂 英樹(関西労災病院・外科), 中平 伸(関西労災病院・外科), 鈴木 玲(関西労災病院・外科), 武田 裕(関西労災病院・外科), 加藤 健志(関西労災病院・外科) |
抄録 | 【目的】切除不能および胃癌再発に対する治療はTS-1を中心とした化学療法が主体となっている.狭窄を有する切除不能例に対しては胃空腸吻合術(緩和手術)が胃癌治療ガイドラインにても提示されているが,十分なQOLの改善が得られないこともある.一方,欧米では内視鏡下胃十二指腸ステント留置術が積極的に行われており高い臨床症状改善率や安全性が報告されているが,本邦においては十分な普及には至っていない.今回,進行再発胃癌10例に対して内視鏡下胃十二指腸ステント留置術を施行したのでその有用性について報告する.【方法】症例は切除不能胃癌9例,腹膜再発による吻合部狭窄例1例の計10例(7例は化学療法中).いずれも経口摂取不能例であり,それぞれに対して内視鏡下胃十二指腸ステントを留置した.【結果】1例では原病の増悪により摂食状況の改善には至らず留置後17日目での死亡となったが,他の9例においては通常の固形食の摂取が可能となり,6例では化学療法の開始・再開が可能であった.留置後1-3日(中央値2日)で食事開始となり,入院期間は3-44日(12日),経口摂取可能期間は0-278日(114日),生存期間は17-284日(128日)であった.全例において合併症は認めず安全に施行可能であったが,後日,5例においては腫瘍の進行に伴うステント閉塞がみられたためステント再留置を要し,1例では胃穿孔のため緊急手術となった.一方,当科において2004-2010年に胃空腸吻合術を施行した32例においては,入院期間が9-66日(17日),経口摂取可能期間は5-1215日(111日),生存期間は17-1551日(142日)であり,両群間に明らかな差は認めなかった.【結論】内視鏡下胃十二指腸ステント留置術は簡便かつ安全に施行可能であった.ステント閉塞はしばしばみられるが,追加ステントを留置することで比較的長期間の経口摂取を可能とする有用な方法と考えられた. |
索引用語 | 胃十二指腸ステント, 幽門狭窄 |