セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-胃癌2 |
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タイトル | 内P-116:当院における胃癌の遡及的な検討 |
演者 | 社本 多恵(南風病院・消化器内科) |
共同演者 | 島岡 俊治(南風病院・消化器内科), 松田 彰郎(南風病院・消化器内科), 西俣 伸亮(南風病院・消化器内科), 飯福 沙織(南風病院・消化器内科), 馬場 由紀子(南風病院・消化器内科), 豊田 真理(南風病院・消化器内科), 岩木 宏介(南風病院・消化器内科), 政 幸一郎(南風病院・消化器内科), 田代 幸太郎(南風病院・消化器内科), 仁王 辰幸(南風病院・消化器内科), 新原 亨(南風病院・消化器内科), 西俣 嘉人(南風病院・消化器内科), 堀 雅英(南風病院・消化器内科), 西俣 寛人(南風病院・消化器内科), 田中 貞夫(南風病院・病理診断科), 有留 邦明(南風病院・外科) |
抄録 | 【目的】近年上部消化管内視鏡検査等での胃癌の診断能が上がってきたことに伴い,早期発見・治療が可能となってきている一方で,その発育進展に関して自然史を検討することは難しくなっている.今回われわれは当院で遡及的な観察が可能であった症例で,臨床病理学的特徴について検討を行った.【方法】当院において2002年4月から2012年3月までの10年間で胃癌に対して外科的手術を行った487例,ESDを行った590例のうち,発見時からさかのぼって3年以内に上部消化管内視鏡検査を行っていた症例を対象とした.【成績】手術症例は6例あり年齢の中央値は60.5歳で,男女比1:5だった.ESD症例は6例で年齢の中央値は51歳であり,全症例が男性だった.存在部位としてはU:M:Lは0:9:3だった.肉眼型はIIcが8例,IIb が1例,type1が1例,type2が1例,type3が1例で,深達度はMが5例,SMが6例,SEが1例だった.発現形質はG-typeが5例,I-typeが3例,GI-typeが4例だった.発見時より前と発見時で上部消化管内視鏡検査を比較したところ,遡及的に見て病変を指摘可能であったのは4例で,指摘困難であったのは8例であった.背景粘膜は萎縮が軽度であったのは1例のみで,他は萎縮が強いか粘膜の発赤・浮腫が強かった.遡及的に見れば指摘が可能であった症例は,領域を持って発赤した粗造な粘膜として観察され,4例中3例が体下部大弯の病変だった.背景粘膜の発赤・浮腫が強い症例はいずれも病変が指摘困難であった.指摘困難であった8例中7例は分化型であり,うち6例が早期癌だった.【結論】体下部の発赤調の領域を持った病変が見逃されることが多かった.指摘困難であったものは胃炎が強い症例であり,そのような症例では除菌療法などで炎症が改善してから再検をするべきであると考えられた. |
索引用語 | 胃癌, 遡及的検討 |