セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-胃癌2

タイトル 内P-117:

内視鏡検査所見別に見た胃癌発生状況の検討

演者 水谷 勝(東京都がん検診センター・消化器内科)
共同演者 入口 陽介(東京都がん検診センター・消化器内科), 小田 丈二(東京都がん検診センター・消化器内科), 高柳 聡(東京都がん検診センター・消化器内科), 冨野 泰弘(東京都がん検診センター・消化器内科), 岸 大輔(東京都がん検診センター・消化器内科), 大村 秀俊(東京都がん検診センター・消化器内科), 板橋 浩一(東京都がん検診センター・消化器内科), 中河原 亜希子(東京都がん検診センター・消化器内科), 山里 哲郎(東京都がん検診センター・消化器内科), 藤田 直哉(東京都がん検診センター・消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡検査の受診間隔は明らかな指針が無く,各医療期間の判断に委ねられているのが現状である.今回,内視鏡検査受診者を10年間追跡し,内視鏡所見別の胃癌発生状況を調べ,適切な検査間隔を検討したので報告する.【方法】2000年4月から2003年までの3年間に当センターでルーチン内視鏡検査を受けた9690例を追跡対象とした.なお,精密検査例と残胃例は対象から除いた.【成績】対象の男女比は1:1.1,当時の平均年齢は61.6歳であった.なお,対象のうち,最近3年間に経過観察目的での内視鏡検査を受けていたのは34%にとどまっていた.当時の内視鏡所見を調べると萎縮性胃炎を74.3%,胃潰瘍(瘢痕含む)12.5%,十二指腸潰瘍(瘢痕含む)9.4%,過形成性ポリープ9.1%,胃底腺ポリープ8.2%,逆流性食道炎(びらんを伴う)を7.0%に認めた.全体の1.9%に胃癌を認めた.胃癌発生までの期間の中央値は5年で,逐年で内視鏡検査を受診していた症例が75%を占めていた.所見別に解析すると,胃癌内視鏡治療後,萎縮性胃炎,胃潰瘍,過形成性ポリープを有する症例の順で有意差を持って胃癌発生率が高かった.一方,十二指腸潰瘍,胃底腺ポリープを有する症例では有意に胃癌発生率が低い結果となった.【結論】胃癌内視鏡治療後症例,萎縮性胃炎症例では逐年の内視鏡検査が望ましい.他方,十二指腸潰瘍,胃底腺ポリープ症例では内視鏡検査間隔を延ばすことも容認されると考えられた.
索引用語 胃癌, 内視鏡