セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-PEG1

タイトル 内P-120:

胃瘻造設後の早期死亡低減についての検討

演者 野々目 和信(糸魚川総合病院・内科)
共同演者 高取 俊介(糸魚川総合病院・内科), 金山 雅美(糸魚川総合病院・内科), 月城 孝志(糸魚川総合病院・内科), 康山 俊学(糸魚川総合病院・内科), 樋口 清博(糸魚川総合病院・内科)
抄録 【目的】胃瘻造設後の早期死亡(術後1カ月以内の死亡)を低減する目的に胃瘻造設後の早期死亡について,リスクファクターの検討をおこなった.さらに得られたデータより胃瘻造設時の推奨指針しめし,その有効性を検討した.【対象,方法】平成17年4月1日より平成24年12月31日までに当院で胃瘻造設を施行された304症例.304症例を指針前症例(平成17年4月1日より平成22年3月31日:214例)と指針後症例(平成22年4月1日より平成24年12月31日:90例)に分けた.指針前症例を1ヶ月生存群192例と早期死亡群22例の2群にわけ,各群の年齢,性別,胃瘻造設術前の経腸栄養の有無,中心静脈栄養の有無,血液検査項目(WBC, CRP, Alb)について比較検討を行った.そこから得られたデータに基づき推奨指針を示し,指針前後の比較をおこなった.【結果】1ヶ月生存群と早期死亡群の間では,WBC (6996.8±2347.0 vs 7871.4±2470.5 p=0. 11), Alb (2.75±0.59 vs 2.55±0.43 p=0. 23),術前中心静脈栄養(9/22: 24.5% vs 47/192: 24.5% p=0.10)で有意差は認めなかった.術前の経腸栄養 (62/192: 32.3% vs 2/22: 9.1% p<0.05)およびCRP値(2.01±2.26 vs 3.17±3.05 p<0.05)で有意差を認めた.この結果よりCRP 3.0以下および術前の経腸栄養の施行を推奨指針とした.胃瘻造設推奨指針前後において,早期死亡率は推奨指針前10.3%から指針後 3.3%と低下し,有意差を認めた(p<0.05).【結論】胃瘻造設時の推奨指針は,有用で早期死亡低減効果を認めた.
索引用語 早期死亡リスクファクター, 推奨指針