セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-PEG1 |
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タイトル | 内P-123:経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG)に関わる医療従事者の意識調査 |
演者 | 加藤 裕佳子(北里大北里研究所病院・消化器内科) |
共同演者 | 中野 雅(北里大北里研究所病院・消化器内科), 小林 拓(北里大北里研究所病院・消化器内科), 清水 清香(北里大北里研究所病院・消化器内科), 常松 令(北里大北里研究所病院・消化器内科), 芹澤 宏(北里大北里研究所病院・消化器内科), 渡辺 憲明(北里大北里研究所病院・消化器内科), 土本 寛二(北里大北里研究所病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】PEG の適応をめぐり,医学的観点のみならず,長期ケアに伴う家族の負担や患者の尊厳など倫理的問題を考慮した適応決定が議論されている.我々は過去に当院でPEGを施行した患者家族にアンケートを行い,医療者側の説明に必ずしも十分な理解がされていない現状を把握した.今回,医療者側の意識調査によりPEG実施の適応判断に向けた改善を検討した.【方法】当院及び提携する老健施設,特別養護老人ホーム,診療所計 386 施設の医療従事者(医師,看護師,薬剤師,理学・言語療法士,栄養士,SW) 530 名にアンケート調査を行った.【成績】アンケート回答者の99%は胃瘻という言葉を知っており,58%が実際に胃瘻管理を経験していた.PEGの適応については一定の理解が得られ,適応決定に際しては家族の負担,経済状況など社会的状況を考慮する重要性が認識されていた.PEG 施行時の説明に関しては説明冊子を用いており,「十分に説明している」,「説明している」と答えた人が67%を占めていたが,自由回答からは胃瘻以外の他の栄養管理の選択肢の提示,胃瘻造設後の長期予後,家族の負担などより具体的な情報の必要性も示唆された.また当院の医療従事者においては,40%が患者側への説明内容を知らないという現状が判明し,医師以外や提携先の医療従事者との情報共有が十分でない状況が明らかとなった.【考察】過去の患者家族を対象に行った調査ではPEGの説明で88%の人が「理解できている」と回答しているものの,その理由については「あまり理解できなかったが医師がすすめたから」,「他の手段がなかったから」が 61%を占めた.今回の結果からPEGの医学的必要性は概ね理解が得られている一方で,患者側にとって利点,欠点及び造設後の管理など,より具体的な情報を提供する必要性が示唆された.今後,情報共有のために主治医だけでなく胃瘻造設医,医師以外のスタッフ,提携先のスタッフも同席しての説明の必要など改善点が明らかとなった. |
索引用語 | PEG, 意識調査 |