セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-PEG2

タイトル 内P-124:

経鼻内視鏡を用いたPEGのintroducer変法とシースダイレータ付introducer変法の安全性比較

演者 野嵜 昌(一宮西病院・消化器内科)
共同演者 森 昭裕(一宮西病院・消化器内科), 蜂谷 紘基(一宮西病院・消化器内科), 湯村 崇之(一宮西病院・消化器内科), 林 晋太郎(一宮西病院・消化器内科), 伏見 亘俊(一宮西病院・消化器内科), 大橋 憲嗣(一宮西病院・消化器内科), 吉田 篤生(一宮西病院・消化器内科)
抄録 【背景】経鼻内視鏡を用いたPEGでintroducer変法(I法)はPull法と比べ偶発症の頻度は変わらないもののより重度な気腹や出血が合併することをわれわれは報告してきた(2012年HEQ研究会).2011年シースダイレータ付Ideal PEG kit(S法)が販売されより安全なPEGが期待されるがその詳細は明らかでない.今回経鼻内視鏡を用いたI法とS法を比較しその安全性を検討した.【方法】2010年6月から2011年10月までに施行されたI法と2011年10月以降に施行されたS法を比較した.全例経鼻内視鏡でPEGを行い胃壁固定は全例で施行した.安全性の評価は,施行時間,PEG前後の循環動態変化,偶発症(出血・感染・気腹)の頻度と重症度を比較した.重症度は,出血は造設中と翌日,気腹は翌日の腹部CT所見を各々5段階スコアで,感染は1週間後のJain基準で評価した.【結果】I法49名,S法50名で検討.両群の患者背景,総施行時間,vital signの変動に有意差はなく全例PEGは成功した.偶発症は,術中出血では両法に差はなかったが,翌日出血はI法58.5%,S法33.3%,気腹I法61.4%, S法32.0%,でI法で頻度が有意に高くさらに重症度も高かった.感染は頻度は同等だったがS法で重症度が有意に高かった.気腹発症例中,腹膜炎を呈した例は認めなかったがPEGとの関連が否定できない死亡例をI法で1例認めた(大量気腹例).S法でも死亡例を1例認めたがPEGとの関連は否定的だった(気腹なし).【結論】S法による気腹の重症度・頻度はI法に比べ有意に低下しており,気腹予防の効果を確認することができた.また,S法ではシース分径が拡大するため出血の悪化が懸念されたが,むしろS群で翌日出血は軽度で頻度も少なかった.心肺機能低下や出血傾向が危惧される患者では,S法によるPEGを選択すべきと考えられた.
索引用語 胃瘻造設, 経鼻内視鏡