セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-PEG2 |
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タイトル | 内P-128:胃瘻カテーテル交換時の経胃瘻内視鏡観察の有用性 |
演者 | 大庫 秀樹(埼玉医大・総合診療内科) |
共同演者 | 細江 直樹(慶應義塾大・内視鏡センター), 柏木 和弘(慶應義塾大・内視鏡センター), 米野 和明(埼玉医大・総合診療内科), 山岡 稔(埼玉医大・総合診療内科), 筋野 智久(埼玉医大・総合診療内科), 芦谷 啓吾(埼玉医大・総合診療内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 中元 秀友(埼玉医大・総合診療内科), 今枝 博之(埼玉医大・総合診療内科) |
抄録 | 【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は広く普及しているが,対象患者の全身状態が良好ではないことが多いため,造設後に上部消化管内視鏡検査を定期的に施行することはまれである.検査にある程度の苦痛を伴い,前処置の時間も要し,誤嚥の危険性も伴う.今回,われわれは胃瘻カテーテル交換時に極細径内視鏡を用いた経胃瘻内視鏡観察の有用性について検討した.【対象と方法】当大学病院と関連病院において16Fr以上のカテーテルが留置された胃瘻交換を予定した患者を対象とした.カテーテル抜去後に極細径内視鏡を胃瘻部位より挿入して胃,十二指腸および噴門部から逆行性に食道を観察した.【成績】63例123回で極細径内視鏡による胃内観察を施行し,十二指腸の観察を61例(96.8%)に,54例(85.7 %)で食道を逆行性に挿入して観察しえた.また,スコープの胃内での反転操作により全例において瘻孔部位を観察しえた.観察時間は平均3.9分で全例に苦痛はみられなかった.早期胃癌を2例に認め,うち1例では交換予定の数日前に黒色便をきたし,観察したところ早期胃癌(0IIc)を認めた.もう1例は造設時に指摘されており,1年後の観察時にさほど著変がないことを確認しえた.食道癌放射線化学療法後の再発を2例に認め,うち1例は治療後瘢痕をきたしていたが極細径内視鏡による通過は可能で,その口側の異なる部位にNBI観察でより明瞭となった表在型食道癌を認めた.後日経口的にESDを施行しえた.胃ポリープ2例,十二指腸ポリープ2例,胃瘻部位の肉芽2例,胃潰瘍瘢痕1例,十二指腸潰瘍瘢痕1例を認めた.【結語】極細径内視鏡を用いた経胃瘻内視鏡検査は簡便で患者の苦痛なく,定期的な上部消化管内視鏡検査が可能であり,有用と考えられた. |
索引用語 | PEG, 経胃瘻内視鏡 |