セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-PEG偶発症 |
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タイトル | 内P-129:胃瘻造設時の咽頭留置持続吸引の有用性~誤嚥による器質的変化の抑制~ |
演者 | 谷田 恵美子(町田市民病院・消化器科) |
共同演者 | 和泉 元喜(町田市民病院・消化器科), 土谷 一泉(町田市民病院・消化器科), 大熊 幹二(町田市民病院・消化器科), 内田 苗利(町田市民病院・消化器科), 野口 正朗(町田市民病院・消化器科), 日高 章寿(町田市民病院・消化器科), 林 依里(町田市民病院・消化器科), 益井 芳文(町田市民病院・消化器科), 吉澤 海(町田市民病院・消化器科), 阿部 剛(町田市民病院・消化器科), 白濱 圭吾(町田市民病院・消化器科), 金崎 章(町田市民病院・消化器科) |
抄録 | 【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下PEG)は術中の誤嚥が問題となる.我々は,誤嚥予防を目的にPEG施行時に吸引カテーテルの先端を下咽頭に留置して口腔内分泌物の持続吸引(以下,留置持続吸引法)を行っている.必要時に口腔内を用手的に吸引する従来法と比較して,呼吸器合併症発症に差はないが,吸引能力は同等以上である事を報告した(Gastroenterol Endosc 2009;51:3108).今回,胸部CTを用いて同方法の有用性を前向きに評価した.【方法】当院で2010年11月以降にPEGを施行し,研究に同意が得られた気管切開未施行60症例を対象とした.事前に上部消化管内視鏡で嚥下障害・逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニアの有無を評価し,PEG施行時に持続吸引群と従来法群に無作為に振り分けた.持続吸引群には鼻腔から14Frの吸引カテーテルを挿入し,先端を喉頭蓋の背側に留置して術中留置持続吸引法を行った.術中吸引量を測定した.体温・SpO2・白血球数・CRP値の測定と胸部単純CT撮影をPEG施行直前と翌日に行い,変化を観察した.結果を両群で比較解析した.【結果】持続吸引群30例と従来法群30例で,年齢,性別,嚥下障害・逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニアの有無等の背景に差はなかった.体温・SpO2・白血球数・CRP値の変化に有意差はなかった.術中吸引量は持続吸引群で有意に多かった(中央値(範囲)2(0-45)ml対0(0-18)ml, p=0.02).肺の浸潤影の悪化,気管内貯留物の出現等のCTの変化は持続吸引群0例(0%),従来法群10例(33%)と有意差を認めた(p<0.01).術後肺炎は持続吸引群0例(0%),従来法群2例(7%)と有意差はなかった.【結論】咽頭留置持続吸引法は,効率的な分泌物除去が可能であった.CT検査で確認できる呼吸器の器質的変化を有意に抑制しており,PEG施行中の誤嚥の予防法として有用であった.簡便かつ人手も不要な方法で,他の内視鏡的治療でも誤嚥予防に有用と考える. |
索引用語 | PEG, 誤嚥 |