セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-PEG工夫

タイトル 内P-136:

当院におけるシースダイレーター法導入後の内視鏡的胃瘻造設術の現状―シースダイレーター法による胃瘻造設時のポイントを含めて―

演者 和田 勲(秋田組合総合病院・消化器科)
共同演者 渡部 博之(秋田組合総合病院・消化器科), 星野 孝男(秋田組合総合病院・消化器科), 藤井 公正(秋田組合総合病院・消化器科), 米山 和夫(秋田組合総合病院・消化器科), 津田 栄彦(秋田組合総合病院・消化器科), 木下 展克(秋田組合総合病院・消化器科)
抄録 背景:Introducer変法の偶発症である,気腹,出血,胃の裂傷予防を目的としてH23年9月に「イディアルボタン,シースダイレーター」が発売された.当院でも発売と同時に導入.従来のイディアルボタンに対し,シースダイレーター法は偶発症に関して良好な成績をおさめている.また,我々が考えるシースダイレーター法による胃瘻造設時のポイントも合わせて報告する.対象:H18年1月~H25年2月までにPEGを施行した313例,(I群:イディアルボタン253例,S群:シースダイレーター法60例)を対象とした.平均年齢I群80.8歳(18~99歳)S群79.5歳(55~96歳).男性:女性I群100:153例S群30:30結果:平均造設時間はI群:11分03秒,S群:11分35秒,両群とも造設中に何らかの治療を必要とした出血は認められなかった.I群に,術後に治療を必要とした出血を1例(0.4%),気腹が高度で脱気が必要だった症例を1例(0.4%),大腸の誤穿刺を1例(0.4%),術後7日以内の死亡例を2例(0.8%),30日以内の死亡例を10例(4.0%)認めた.また,S群では明らかな偶発症を1例も認めず,スムースに造設可能であった.全例胃瘻を使用可能であった.また,術後7日以内の死亡例は認めず,30日以内の死亡例を3例認め全例肺炎であった.考察:Introducer変法は出血や気腹などの重篤な状態を招く合併症を認めることがあることから,予防目的として「イディアルボタン,シースダイレーター」が発売された.実際,造設時に偶発症を認めないことから,偶発症の予防に有効であると考えられた.また,症例をかさねていくうちにシースダイレーター法にも,造設時にいくつかのポイントを認め,そのポイントをふまえて造設することが,速やかに安全に胃瘻造設を行うことができると考えられた.
索引用語 Introducer変法, シースダイレーター法