セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-PEG工夫 |
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タイトル | 内P-138:細径内視鏡の栄養療法での役割 |
演者 | 明石 哲郎(済生会福岡総合病院・内科) |
共同演者 | 江崎 充(済生会福岡総合病院・内科), 高橋 俊介(済生会福岡総合病院・内科), 池田 浩子(済生会福岡総合病院・内科), 立花 雄一(済生会福岡総合病院・内科), 向井 康二(済生会福岡総合病院・内科), 富田 洋介(済生会福岡総合病院・内科), 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院・内科), 吉村 大輔(済生会福岡総合病院・内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院・内科) |
抄録 | 【目的】栄養療法は腸が機能している場合は経腸栄養が基本である.経腸栄養アクセスとして経鼻胃管,胃瘻,腸瘻などの方法が用いられるが,内視鏡下に行う場合も多い.細径内視鏡の登場でより低侵襲で簡便な手技が可能となった.当院での栄養療法への細径内視鏡の関与について検討した.【方法】経腸栄養時の細径内視鏡の使用状況,細径内視鏡による効果,栄養療法の効果について検討した.【結果】経鼻胃管は挿入困難例や十二指腸への留置例で経鼻内視鏡下に挿入した.2010-2012年に8件(挿入困難4,十二指腸留置4)施行し,安全に施行できた.経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は2010年より経鼻的細径内視鏡下でIntroducer法,Direct法で施行している.2010-2012年に315件施行したが,特に術中トラブルなく施行できた.1例同一患者で細径内視鏡を経鼻,経口の両者を試みた.COPDの患者で鼻腔より挿入を試みるも通過困難で経口的に挿入した.しかし間もなくSpO2 60%台まで低下し,直ちに抜去,酸素投与にて数分後回復した.経口ルートは断念し,再度経鼻的に挿入したが鼻出血を伴うも軽度であり処置を継続し,造設可能であった.経鼻的細径内視鏡は基礎疾患を有する症例も安全に施行できると考えられた.PEG患者では胃食道逆流により誤嚥性肺炎を繰り返す症例も認められる.そのような症例に対して経皮内視鏡的空腸瘻造設術(PEG-J)が行われる場合もある.2007年から現在まで10例に施行した.6例は瘻孔より細径内視鏡を用い,迅速に挿入可能であった.10例中3例は上腸間膜動脈(SMA)症候群に対する閉塞部を通過した空腸栄養のため施行された.長期経過が追えた2例および水平脚にEDチューブ留置した1例では,全例SMA症候群の改善を認め,栄養開始後14~75日で経胃的な栄養へと移行できた.【結論】細径内視鏡により経腸アクセスを迅速に安全に確保できた.特に空腸へのアクセスはより簡便になりSMA症候群の治療に有効な手段となると考えられた. |
索引用語 | 経腸栄養, 細径内視鏡 |