セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-検診1

タイトル 内P-146:

当医師会におけるABC検診の導入 -消化器医プロジェクトチームによる取り組み-

演者 山口 康晴(西東京市医師会DELIMITER西東京市消化器医会)
共同演者 永田 靖彦(西東京市医師会DELIMITER西東京市消化器医会), 平塚 龍太(西東京市医師会DELIMITER西東京市消化器医会), 坂上 信也(西東京市医師会DELIMITER西東京市消化器医会), 石田 秀世(西東京市医師会DELIMITER西東京市消化器医会)
抄録 【目的】西東京市(人口20万人)では平成23年度よりABC検診を導入した.検診に関わる多くの医師は消化器専門でないことや胃X線検診を推奨する行政との折衝など,医師会の消化器医は様々な作業と工夫を要した.今後導入を検討されている医師会の一助になればと考え,導入時の問題点を共有するとともに,我々の取り組みを報告する.【直面した問題】1.検診費用の捻出,2.胃X線検診受診率向上を求める行政との温度差,3.検診対象者か否かのふるい分けやA~D判定が消化器専門外医には煩雑,4.血液検査費用,5.検診後に判明するHp陽性者への対応,6.内視鏡検査の確実な実施 【対策】導入に際し,医師会内に消化器医を中心としたプロジェクトチームを立ち上げた.行政,議会,市内80以上の検診医療機関,各血液検査会社に対し,消化器医の立場から西東京市を取り巻く胃がんの現状とABC検診の意義を繰り返し説明し協力を取り付けた.最初の2年間の検診費用は医師会公益事業として医師会が捻出し,3年目より行政の事業として継続する方針とした.これにより公費負担額は大きく削減できると概算した.胃X線検診受診率の低下を食い止めるため,A群に胃X線検診を勧奨することとした.検診者の適応判断やA~D判定の煩雑さを軽減するため,検診精度は落ちるが,希望者は基本的に検診可能とし,各検査会社にはA~Dでの結果も付記するよう依頼した.Hp 陽性者への対応については,主治医はいつでも各消化器医に相談できることを確約した.内視鏡検査の確実な実施は一次検診機関に委ねられており,書面や医師会活動を通じて繰り返し理解と協力を求めた.【結論】初年度は高い癌発見率(2.2%)が得られた.翌年には各検診機関がより協力的になったことより,導入に踏み切ることがなにより大切だと実感した.今後の課題は,1.内視鏡検査のより確実な実施と精度管理, 2.将来に渡る内視鏡検査の継続, 3.費用対効果の証明などであり,引き続き様々な角度からの検証が必要と考えている.
索引用語 ABC検診, 胃癌検診