セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-検診1

タイトル 内P-147:

当院における内視鏡検診の現状 ―内視鏡による対策型検診が導入されて2年―

演者 小坂 良(松阪市民病院・内科)
共同演者 野田 知宏(松阪市民病院・内科), 倉林 広明(松阪市民病院・内科), 坪井 順哉(松阪市民病院・内科), 黒田 誠(松阪市民病院・内科), 大岩 道明(松阪市民病院・内科), 駒田 文彦(松阪市民病院・内科)
抄録 【目的】当院ではこれまで任意型検診,職域検診に関してのみ内視鏡検診を行なってきた.三重県松阪市では平成23年度から胃がん内視鏡検診が導入され,当院でも内視鏡検査による対策型検診を施行するようになった.対策型検診が開始されたこの2年間の状況について報告する.【方法】平成23年4月から平成24年2月までに当院で内視鏡検診を受けた1548名(対策型816名,任意型+職域732名,内視鏡検査は経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査が自由に選択できる)の経鼻内視鏡検査選択率,内視鏡検診の再受診率,悪性腫瘍の拾い上げ率について検討した.【成績】経鼻内視鏡の選択率は対策型で49.9%(407/816),任意型+職域で73.0%(534/732)であった.内視鏡検診の再受診率は選択率は対策型で50.6%(158/312),任意型+職域で67.8%(249/367)であった.食道癌はこの2年で発見されなかった.胃癌発見率は0.51%(8/1548)であった.胃癌発見に関して経鼻内視鏡検査,経口内視鏡検査で差はみられなかった(経鼻5例,経口3例).【結論】任意型+職域検診は平均年齢が56歳と対策型検診のそれ(66歳)に比べて若く,若い年齢層は経鼻内視鏡検診を好む傾向にあると考えられた.また任意型+職域検診で検診再診率が高かったことは,経鼻内視鏡検診の認容性の高さを示していると考えられた.また胃癌の拾い上げに関して,これまでの報告にもあるように経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査で差はなかった.経鼻内視鏡検査の積極的導入により検診受診者数,再受診率とも増加すると考えられるが,内視鏡検査の増加に対応できる医師,看護師の確保,またhigh risk groupの絞り込みが今後の課題と思われた.
索引用語 経鼻内視鏡, 検診