セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-検診1

タイトル 内P-149:

市中病院における胃がん検診の現状

演者 内山 崇(茅ヶ崎市立病院・消化器内科)
共同演者 栗山 仁(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 鈴木 章浩(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 鹿野島 健二(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 桑原 洋紀(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 冬木 晶子(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 松浦 哲也(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 谷口 礼央(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 村田 依子(茅ヶ崎市立病院・消化器内科), 秦 康夫(茅ヶ崎市立病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院では地域にある中核規模の公立病院として,任意検診をおこなっている.現状では,受診者がX線と内視鏡を自由に選択し,胃がん検診をおこなっている.各群の検診結果について比較・検討した.【方法】2008年1月から2012年12月までに当院で胃がん検診を施行した,延べ5741例(実症例数2904例)について評価した.検診結果は異常なし,軽度異常,経過観察,要再検査,要精密検査,要治療に分類された.このうち要再検査,要精密検査,要治療群を有所見例として追跡し,追加検査受診の有無,診断,腫瘍性病変の有無など解析した.【成績】X線群は4463名,51.2±11.3歳,内視鏡群は1278名,59.4±11.8歳で,X線群が有意に高齢であった(p<0.01).X線群では722例が,内視鏡群では32例が有所見例と診断され,有所見はX線群に有意に多かった(p<0.01).X線群で有所見例と診断された全例に,内視鏡検査を推奨し,うち278例(38.5%)が内視鏡検査を施行した.X線群有所見例で内視鏡検査をうけた症例では4例の腫瘍性病変を認め,2例に手術を,2例に内視鏡治療を施行した.内視鏡群では6例の腫瘍性病変を認め,1例に手術を,5例に内視鏡治療を施行した.腫瘍性病変の発見率は内視鏡群の方が有意に高かった(p<0.01).【結論】X線群では,有所見例となる割合が高く,内視鏡検査が必要になり,二回もの胃検査が必要になる症例が多い.しかしながら,内視鏡検査を受けることへの抵抗か,精密検査の受診率は低く,より一層の啓蒙活動が必要である.内視鏡検査は一度の検査で病変を正確に評価でき,早期発見例も多いが,X線検査の希望者も多く,未だ内視鏡検査への敷居は高いと考えられる.当院ではX線・内視鏡を受診者自らが選択できるシステムをとることで,胃がん検診の受診率をあげることができると考えている.今後は胃がんのハイリスク症例などには,積極的に内視鏡を勧める一方で,X線検診も併用し,胃がん検診の受診率の向上に努めていきたいと考える.
索引用語 胃がん, 検診