セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-検診2
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タイトル |
内P-151:当院で内視鏡治療を行った上部消化管腫瘍の診断における検診の寄与についての検討
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演者 |
谷岡 ゆかり(昭和病院(山口)DELIMITER社会保険下関厚生病院) |
共同演者 |
沖田 幸祐(社会保険下関厚生病院), 原田 克則(社会保険下関厚生病院), 平野 厚宜(社会保険下関厚生病院), 木村 輝昭(社会保険下関厚生病院), 加藤 彰(社会保険下関厚生病院), 山下 智省(社会保険下関厚生病院), 沖田 極(社会保険下関厚生病院) |
抄録 |
【目的】当院における内視鏡的治療が可能であった上部消化管腫瘍について,検診が寄与できた現況および,当院における胃癌検診の現状について検討する.【方法】1)2009年1月から2011年12月までの3年間における当院で行われた上部消化管腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術患者について受診動機,症状の有無,1次検診の上部消化管X線検査が契機であった症例における2次検診上部消化管内視鏡検査の所見の一致率について検討した.2)当院消化器内科および健康管理センターにおける3年間の上部消化管内視鏡検査および胃癌検診の現状について検討した.【成績】1)検診で発見された症例は95症例中36例(37.9%)であった.内訳は,上部消化管内視鏡検査で発見された症例が26例(72.2%),上部消化管X線検査で異常を指摘され,2次検診の上部消化管内視鏡検査で発見された症例が10例(27.8%)であった.上部消化管X線検査で異常を指摘された10例のうち,2次検診の上部消化管内視鏡検査の所見と一致したものが4例(40%),不一致なものが5例(50%),その他が1例であった.不一致の理由として,強い萎縮性変化や周囲の粘膜粗造部と判別が困難であった(3例),見落としが2例であった.症状の有無については,無症状が74例(77.9%),有症状が21例(22.1%)であった.2)当院における1次検診上部消化管内視鏡検査受診者の癌発見率は0.4%,1次検診で上部消化管X線検査受診者のうち,2次検診機関より返信があった精検受診者が40%と低かったが,癌発見率は,0.06%であった.【結論】内視鏡的な治療を行える可能性のある早期の段階で病巣を発見するには,無症状でも上部消化管内視鏡検査を推奨することが,極めて重要であることが改めて示唆された. |
索引用語 |
上部消化管腫瘍, 検診 |