セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-検診3

タイトル 内P-156:

血清Helicobacter pylori抗体価のカットオフ値の検討

演者 田中 健児(豊見城中央病院・消化器内科DELIMITER豊見城中央病院附属健康管理センターDELIMITER琉球大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 仲吉 朝史(豊見城中央病院附属健康管理センター), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部)
抄録 【目的】現在,血清Helicobacter pylori (以下HP)抗体価のカットオフ値は10 U/mL以上が陽性とされている.しかし,HP抗体偽陰性例の存在が指摘され,カットオフ値の見直しも検討されている.そこで今回HP抗体価の適切なカットオフ値の検討を行った.【方法】当施設でHP抗体検査を行った健診受診者のうちHP抗体価が3~9 U/mL,又は抗体価が3 U/mL未満でも内視鏡所見でHP感染を疑った受診者へHP抗体検査が偽陰性の可能性を説明し,同意を得られた57名に尿素呼気試験(以下UBT)を行った.【成績】UBTを行った57名中36名(63%)がUBT陽性,21名(37%)はUBT陰性であった.抗体価毎のUBT陽性率はHP抗体価9 U/mL(n=6)で100%,8 U/mL(n=5)で100%,7 U/mL(n=10)で90%,6 U/mL(n=7)で88%,5 U/mL(n=6)で50%,4 U/mL(n=5)で0%,3 U/ml(n=13)で23%,3 U/mL未満(n=4)で25%であった.カットオフ値を6 U/mLに設定すると,感度79%,特異度91%と良好な成績であった.HP抗体価6U/mL未満でUBT陽性であった9名中6名に内視鏡所見で点状発赤または鳥肌胃炎を認めた.UBT陰性者21名のうち16名に胃粘膜委縮を認めHP既感染者と思われ,残りの5名には胃粘膜委縮がなくHP未感染者と思われた【結論】我々の検討ではHP抗体価の適切なカットオフ値は6 U/mLであった.またHP抗体価が6 U/mL未満以下でも内視鏡所見で点状発赤や鳥肌胃炎等あれば,UBT等でHPの感染確認をすべきと思われた.
索引用語 抗体価, ヘリコバクター・ピロリ