セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-抗血栓薬1
|
タイトル |
内P-160:当院において胃ESDを施行した抗血栓薬服用者の検討 新ガイドラインの安全性の評価
|
演者 |
川口 章吾(青森市民病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学) |
共同演者 |
吉村 徹郎(青森市民病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 千葉 裕樹(青森市民病院・消化器内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 和田 豊人(青森市民病院・消化器内科), 福田 眞作(弘前大大学院・消化器血液内科学) |
抄録 |
【背景】新しく抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン(以下,ガイドライン)が発行されたが,治療内視鏡を行う際の安全性については十分に検討がなされていない.【目的】抗血栓薬服用者における胃ESDの安全性を検討すること.【方法】平成22年8月から平成25年1月までの期間に当院で胃ESDが施行された216例,232病変(早期胃癌141病変,胃腺腫92病変)を対象とした.術翌日か翌々日にsecond lookを行い,必要であれば内視鏡的止血を行った.ガイドライン発行後の平成24年8月以降は抗血栓薬を翌日のsecond lookで止血が確認されればすぐに再開するように統一した.明らかな吐下血のために緊急内視鏡を要したものとHb2g/dl以上の低下を認めたものを後出血とした.出血性合併症と血栓性合併症の頻度について,ガイドライン発行前後の期間に分け後向きに検討した.【結果】抗血栓薬内服群は60例,非内服群は156例であった.後出血は内服群に7例(11.7%),非内服群に9例(5.3%)認め,有意差はないものの内服群で多い傾向にあった.血栓性合併症は内服群に2例(3.3%)認めた(脳梗塞1例,TIA1例).非内服群には認められなかった.抗血栓薬内服群60例をガイドライン前後の期間で分けると,ガイドライン前の期間46例とガイドライン後の期間14例のうち,後出血はそれぞれ5例(10.9%),2例(14.3%)に認められた.ガイドライン後に多い傾向にあったが有意差はなかった.ガイドライン後の症例はいずれもアスピリン継続例であった.全例内視鏡的に止血が可能であった.血栓性合併症の2例はガイドライン前の期間脳梗塞1例と,ガイドライン後の期間のTIA1例であった.ガイドライン後においてはADLの低下を招くような重篤な血栓症の発生はなかった.【結語】後出血の頻度はガイドライン前後の期間で変わりなく,重篤な血栓性合併症の発生も認められなかったことから,今回の検討ではガイドラインは妥当であると考えられた. |
索引用語 |
ESD, 抗血栓薬 |