セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-抗血栓薬1

タイトル 内P-161:

当院における抗血栓薬の生検後再開時期の統一化

演者 伊藤 紗代(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
共同演者 鈴木 武志(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 佐藤 浩一郎(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 富永 健司(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 加藤 充(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 北川 智之(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 竹中 由希夫(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 平山 圭穂(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 森 麻紀子(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 吉田 有輝(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 牧野 敏之(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 三登 久美子(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 前谷 容(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
抄録 【目的】昨年“抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン”が作成され,抗血栓薬の休薬期間について詳細に記載された.一方,再開時期については「内視鏡的に止血が確認できた時点からとする」と記載され,消化器内視鏡ガイドライン(第3版)と同様,日数などの明確な取り決めはなかった.近年,心疾患や脳血管障害の二次予防に対する抗血栓療法例が増加している.休薬期間が長くなると血栓塞栓症などの致死的合併症を起こす可能性があり,できるだけ早く再開することが好ましい.当院において抗血栓薬の再開時期を翌日に統一化し,出血や血栓塞栓症の発症について調査した.【方法】低リスク手技である生検において,抗血栓薬服用者の内服再開時期を統一化するため,出血を増加させず,且つ血栓塞栓症の発症率を最小限に抑えるため検査翌日を再開時期に統一した.2011年12月~2013年1月までに施行した通常上部消化管内視鏡検査3594例を対象に,生検後出血や血栓塞栓症発症の有無について検討した.新ガイドライン導入後の2013年2月からの症例についても検討した.【成績】患者背景は,生検件数:抗血栓薬服用群174件/394箇所,非服用群793件/1613箇所,男女比:服用群129:45,非服用群456:337,平均年齢:服用群73.6±9.4歳,非服用群65.2±14.5歳であった.薬剤散布以外の止血処置を要した生検時出血を1例に認めた.生検後出血は非服用群(肝硬変患者)の1例で発症し止血術および輸血を要した.血栓塞栓症の発症は両群ともに認めなかった.新ガイドライン導入後,現時点で両群ともに生検後出血は認めていない.【結論】低リスク手技である生検においては,抗血栓薬の再開時期を翌日に統一した場合に出血や血栓塞栓症発症のリスクは増加しなかった.休薬を要する多剤併用症例での再開時期の目安になると考えられた.
索引用語 抗血栓薬, 胃生検