セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-抗血栓薬2 |
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タイトル | 内P-165:アスピリン内服継続下で施行した胃ESD5症例の検討 |
演者 | 松三 明宏(三豊総合病院・内科) |
共同演者 | 今川 敦(三豊総合病院・消化器科), 木口 賀之(三豊総合病院・消化器科), 寺澤 裕之(三豊総合病院・消化器科), 榮 浩行(三豊総合病院・消化器科), 竹内 桂子(三豊総合病院・消化器科), 吉田 泰成(三豊総合病院・消化器科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院・消化器科), 遠藤 日登美(三豊総合病院・消化器科), 神野 秀基(三豊総合病院・消化器科), 加地 英輔(三豊総合病院・消化器科), 守屋 昭男(三豊総合病院・消化器科), 幡 英典(三豊総合病院・消化器科), 中津 守人(三豊総合病院・消化器科), 安東 正晴(三豊総合病院・消化器科) |
抄録 | 【目的】『抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン』では抗血栓薬休止による血栓症リスクの重要性が認識され,抗血栓薬継続による内視鏡治療は容認されつつある.アスピリン内服継続下で出血高危険度の胃ESD症例の術後経過について検討した.【方法】対象は2012年9月から2013年2月までにアスピリン内服継続下で胃ESDを施行した5症例.全例アスピリンを継続投与しつつ,通常と同じ方法でESDを施行した.術後2日間はランソプラゾール30mgを2回/日静脈投与し,その後ランプラゾール30mg/日を内服投与した.ESD術後1週間後の上部消化管内視鏡検査(EGD)で止血確認を行った.なおESD術後経過中に内視鏡的止血術が必要であった症例を『後出血あり』と定義した.【成績】5症例の内訳は男性4例,女性1例で,平均年齢は77.6±5.7歳であった.基礎疾患は脳梗塞後1例,心疾患5例で,治療時にアスピリン単剤投与が3例,アスピリンに加えて抗凝固療法(ヘパリン置換)併用が2例であった.2症例には複数病変(2病変1例,4病変1例)を認め,計9病変に対して胃ESDを施行した.病変部位はU/M/L=0/2/7で,ESDの平均施行時間は81.4±34.4分,切除病変サイズは32.3±13.5mmであった.施行前の平均Hb値は13.3±2.0g/dl,術後1日目,3日目の平均Hb値は各々12.8±1.7g/dl,12.6±1.6g/dlであった.『後出血あり』を2例に認め,それぞれ術後6日目,7日目の止血確認EGDにてESD後潰瘍内にForrest 分類で2aの露出血管を認め,クリッピングによる止血処置が必要であった.検査中に胃内に出血を認めず,持続的な出血は否定的であったが,いずれもESD時の露出血管に対する止血操作が不十分であったことが原因であると思われた.【結語】アスピリン内服継続下における胃ESDは,術中の露出血管の処置を十分行うことにより,安全な処置が可能であると思われた. |
索引用語 | ESD, 抗血栓薬 |