セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-抗血栓薬2 |
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タイトル | 内P-168:当院の上部消化管止血における抗凝固薬内服例の臨床的検討 |
演者 | 尾崎 隼人(防衛医大病院・2内科) |
共同演者 | 山下 允孝(防衛医大病院・2内科), 井上 悌仁(防衛医大病院・2内科), 古橋 廣嵩(防衛医大病院・2内科), 清水 基規(防衛医大病院・2内科), 高城 健(防衛医大病院・2内科), 安武 優一(防衛医大病院・2内科), 佐藤 宏和(防衛医大病院・2内科), 成松 和幸(防衛医大病院・2内科), 渡辺 知佳子(防衛医大病院・2内科), 高本 俊介(防衛医大病院・光学医療診療部), 穂苅 量太(防衛医大病院・2内科), 川口 淳(防衛医大病院・2内科), 永尾 重昭(防衛医大病院・光学医療診療部), 三浦 総一郎(防衛医大病院・2内科) |
抄録 | 【目的】高齢化が進行により,基礎疾患を併存している症例や抗凝固薬を内服している症例の増加に伴い,抗凝固薬に起因する出血性胃潰瘍,十二指腸潰瘍の症例も増加している.抗凝固薬内服症例における上部消化管出血の臨床的特徴と緊急内視鏡的止血術について検討した. 【方法】2006年から2013年2月までに,当院で施行された緊急内視鏡検査1162例のうち,出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍の426例について抗凝固薬内服の有無別に患者背景,止血方法,治療成績等について検討した. 【成績】出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍426例のうち抗凝固薬を投与されていた症例は96例であった.抗凝固薬非使用例の平均年齢は65.6±13.3歳であるのに対して,抗凝固薬使用例は71.2±11.4歳と有意に年齢が高かった.Forrest分類では抗凝固薬使用例はForrestIbが41.1%で最も多く,半数以上の症例で初回観察時に活動性の出血を認めた.対して非内服例はForrestIIaが47.3%で最多であり,初回観察時に自然止血している傾向にあった.抗凝固薬内服例の止血法はクリップ単独41例,クリップ・HSE局注併用8例,クリップ・HSE局注に加え他の内視鏡的止血処置を追加した症例が4例であった.複数回の止血処置を要する抵抗例が4例,内視鏡的治療のみで止血できずinterventional radiology(IVR)や手術が必要であった止血困難例が2例認められたが,抗凝固薬使用の有無で抵抗例,困難例に有意差は認めなかった. 【結論】抗凝固薬使用患者の出血性胃潰瘍・十二指腸潰瘍における内視鏡的止血術は非使用例と同等の止血成績を得ることができた.抗凝固薬内服例は高齢かつ観察時に活動性出血を認める傾向にあり,止血困難な症例では内視鏡的治療にこだわらずIVRや手術も検討することが大切である. |
索引用語 | 出血性胃十二指腸潰瘍, 抗凝固薬 |