セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-出血1

タイトル 内P-175:

NSAIDs使用に着目した当院での出血性胃十二指腸潰瘍の検討

演者 木嶋 麻衣子(東海大・消化器内科)
共同演者 鈴木 孝良(東海大・消化器内科), 中原 史雄(東海大・消化器内科), 津田 真吾(東海大・消化器内科), 中島 貴之(東海大・消化器内科), 東 徹(東海大・消化器内科), 築根 陽子(東海大・消化器内科), 藤澤 美亜(東海大・消化器内科), 内田 哲史(東海大・消化器内科), 湯原 宏樹(東海大・消化器内科), 小池 潤(東海大・消化器内科), 五十嵐 宗喜(東海大・消化器内科), 峯 徹哉(東海大・消化器内科)
抄録 【目的】現在,胃・十二指腸潰瘍の2大原因としてH.pyloriとNSAIDsが知られている.若年者のH.pyloriの感染率は減少している半面,高齢化社会に伴って,脳血管障害・虚血性心疾患に対する抗血栓療法や,整形外科・リウマチ内科領域でのNSAIDs投与は増加している.本検討は当院でのNSAIDs潰瘍の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は2006年1月1日から2011年12月31日の6年間に当院で内視鏡的止血処置を施行した出血性胃・十二指腸潰瘍の440例である.悪性腫瘍,虚血・機械的刺激によるもの,ESD/ EMR後,止血剤散布のみの症例,IVRでの止血症例は除外している.出血前2週以内にNSAIDsを服用していたNSAIDs群とNSAIDsを服用していない非NSAIDs群に分類し,比較検討した.【成績】NSAIDs群は192例(LDA群94例・LDAを除いたNSAIDs群122例・併用群24例),非NSAIDs群は248例であった.平均年齢はNSAIDs群70.3±11.4歳,非NSAIDs群61.6±15.7歳であり,NSAIDs群で有意に高齢であった.男女比は両群共に男性で高率であったが,NSAIDs群では女性の比率が高かった.また,来院時のHb値はNSAIDs群8.1±2.4g/dl,非NSAIDs群9.2±2.8g/dlであり,NSAIDs群で有意に低く,来院時のショック症例,輸血症例に関しても,NSAIDs群で有意に多かった.両群とも出血性潰瘍病変は十二指腸より胃に多く存在していた.潰瘍多発例はNSAIDs群で多かった.両群共に内視鏡的止血術はエタノール局注,クリッピング等の複数併用例が多く,再出血率に関しては両群ともに有意差を認めなかった.【結論】NSAIDs投与患者における潰瘍出血は来院時のHb値,ショックや輸血例の割合から重症傾向がみられ,注意を要するが,止血術や再出血率に関してはNSAIDs使用の有無により有意差を認めなかった.
索引用語 NSAIDs, 潰瘍