セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-出血2 |
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タイトル | 内P-176:超高齢者の上部消化管出血症例の特徴 |
演者 | 深澤 佳満(山梨県立中央病院) |
共同演者 | 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院), 石田 泰章(山梨県立中央病院), 川上 智(山梨県立中央病院), 久野 徹(山梨県立中央病院), 岩本 史光(山梨県立中央病院), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院), 細田 健司(山梨県立中央病院), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院), 望月 仁(山梨県立中央病院), 小俣 政男(山梨県立中央病院) |
抄録 | 【背景目的】高齢化社会到来のため近年高齢者の吐下血症例が増加している.超高齢者の上部消化管出血の特徴を明らかにする目的で検討を行った.【方法】2008年1月~2012年12月に上部消化管内視鏡的止血術を行った食道胃静脈瘤を除く333症例を,超高齢者群(85歳以上,n=37,中央値90歳),高齢者(65-84歳,n=194,中央値75歳)若年者群(64歳以下,n=102,中央値56.5歳)に分類し,retrospectiveにその臨床的特徴を検討した.【結果】男女比は超高齢者群では男性57%(21/37),女性43%(16/37),高齢者群では男性68%(132/194),女性32%(62/194),若年者群では男性77%(79/102),女性23%(23/102)で,高齢者ほど女性が多かった(p<0.05).高血圧は超高齢者群86%(32/37),高齢者群59%(115/194),若年者群30%(31/102)で,高齢者ほど高血圧の合併症例が多かった(p<0.05).また,抗血小板薬・抗凝固薬内服症例は超高齢者群51%(19/37),高齢者群35%(68/194),若年者群22%(22/102)で高齢者ほど多かった(p<0.05).原因疾患は胃十二指腸潰瘍がすべての群において最多(超高齢者群59%(22/37),高齢者群65%(126/194),若年者群79%(81/102))であった.Glasgow-Blatchford Scoreは,超高齢者群10.4(3-17),高齢者群9.7(0-18),若年者群9.0(1-16)であった.死亡例は23例(7.4%)であり,超高齢者群14%(5/37),高齢者群7.7%(15/194),若年者群2.9%(3/102)であり,高齢者ほど死亡率が高い傾向があった(p=0.0738).また死亡例23例ではGlasgow-Blatchford Score 11.2(6-18),生存例310例9.6(0-17)であり,死亡症例はGlasgow-Blatchford Scoreは高かった(p<0.05).死因は悪性腫瘍が最も多く39%(9/23)であり,その次は誤嚥性肺炎が22%(5/23)であった.【結論】超高齢者の上部消化管出血では基礎疾患合併例が多く,死亡率も高いことから,確実な止血を行うことが重要である. |
索引用語 | 出血, 高齢者 |