セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
胃-出血2
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タイトル |
内P-177:出血性消化性潰瘍における血栓塞栓症の検討
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演者 |
檜沢 一興(九州中央病院) |
共同演者 |
工藤 哲司(九州中央病院), 守永 晋(九州中央病院), 江崎 幹宏(九州大・病態機能内科), 松本 主之(九州大・病態機能内科), 飯田 三雄(九州中央病院) |
抄録 |
【目的】出血性消化性潰瘍における血栓塞栓症発症の危険因子を明らかにする.【対象および方法】過去4年間に当院で緊急内視鏡を施行した223例の出血性消化性潰瘍を対象に発症1週間以内に血栓塞栓症を併発した9例(4%)の臨床像を検討した.この血栓合併群9例と非合併群214例の臨床背景,基礎疾患,抗血栓薬およびNSAIDsの服薬,H. Pylori (HP) 感染,潰瘍性状(Forrester分類),止血処置,輸血率を比較した. 【結果】抗血栓治療48例中28例(58%)が低用量アスピリンを使用し,うち8例(29%)は多剤抗血栓薬を内服していた.血栓塞栓症の内訳は脳梗塞6例,心筋梗塞3例であり,8例(89%)は動脈硬化の危険因子を有していた.誘因として1例は抗血栓薬中止,1例は高度の貧血,3例は出血性ショックによる循環動態の変動が推定された.血栓合併群は非合併群に比較して,HP感染率(2/5例40% vs. 106/125例85%)は低く,抗血栓薬の服用率(4例44% vs. 44例21%)は高い傾向にあったが,発症年齢(平均70歳 vs. 67歳),性別(男性8例89% vs. 153例72%),NSAIDs服用率(2例22% vs. 78例36%),基礎疾患に有意差はなかった.両群間で輸血率(7例78% vs. 144例67%)に有意差はなかったが,血栓合併群ではForrester IIa以上の活動性出血例(9例100% vs. 146例68%)が有意に多く,クリップ止血術を含む複合処置(4例44% vs. 39例18%)や血管塞栓術による追加止血(2例22% vs. 15例7%)を要した止血困難例が多い傾向にあった.【結語】抗血栓治療中はHP陰性でも出血性消化性潰瘍の危険が高く,特にForrester IIa以上の活動性出血を伴う内視鏡止血困難例では血栓塞栓症の発症にも注意が必要である. |
索引用語 |
出血性消化性潰瘍, 血栓塞栓症 |