セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-出血2

タイトル 内P-180:

当院におけるPCI後の上部消化管出血症例の検討

演者 青木 領太(川崎病院・消化器内科)
共同演者 田中 さゆり(川崎病院・消化器内科), 西田 悠(川崎病院・消化器内科), 深水 英昭(川崎病院・消化器内科), 竹内 庸浩(川崎病院・消化器内科), 野村 祐介(川崎病院・消化器内科), 多田 秀敏(川崎病院・消化器内科), 前田 哲男(川崎病院・消化器内科)
抄録 【背景】近年人口の高齢化や生活習慣病患者の増加に伴い虚血性心疾患が増加している.虚血性心疾患に対して経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行されることが多いが,臨床上,PCI後に消化管出血をきたすことを少なからず経験する.【目的】当院におけるPCI施行後の上部消化管出血症例について検討し,その臨床的特徴を明らかにする.【対象】2010年3月から2013年1月に当院で虚血性心疾患のためPCIを施行した971例.【方法】PCI施行後30日以内に上部消化管出血をきたした症例についてretrospectiveに検討した.【結果】上部消化管出血を認めたのは12例(1.2%).平均年齢77.5歳(59-90).男性9例,女性3例.PCI施行理由としては急性心筋梗塞7例,狭心症5例であった.9例がアスピリンと硫酸クロピドグレルを内服しており,3例がヘパリンナトリウムの持続投与を受けていた.12例全てがプロトンポンプ阻害剤を投与されていた(4例が経静脈投与,8例が経口投与).出血の原因としては,重複例を含めて逆流性食道炎が3例,食道潰瘍が1例,マロリーワイス症候群が1例,胃潰瘍が4例,胃癌が1例,胃からのoozing出血が1例,十二指腸潰瘍が1例,胆嚢癌からの胆道出血が1例であった.2例は内視鏡的止血処置を行ったが,ともに複数回の処置を要した.胃癌,胆嚢癌症例には手術を行った.輸血を要したものは6例であった.死亡例は3例であった.【まとめ】PCI後上部消化管出血をきたした症例は971例中12例と頻度は少なかったが,輸血を要する例や死亡例も多く,厳重な観察が必要と考えられた.【結語】当院におけるPCI後の上部消化管出血症例を検討したので報告する.
索引用語 上部消化管出血, PCI