セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-腫瘍1

タイトル 内P-185:

当院で経験した転移性胃腫瘍10例の検討

演者 佐々木 綾香(西神戸医療センター・消化器科)
共同演者 沖重 友香(西神戸医療センター・消化器科), 吉田 裕幸(西神戸医療センター・消化器科), 荒木 理(西神戸医療センター・消化器科), 村上 坤太郎(西神戸医療センター・消化器科), 津田 朋広(西神戸医療センター・消化器科), 安達 神奈(西神戸医療センター・消化器科), 島田 友香里(西神戸医療センター・消化器科), 林 幹人(西神戸医療センター・消化器科), 井谷 智尚(西神戸医療センター・消化器科), 三村 純(西神戸医療センター・消化器科), 橋本 公夫(西神戸医療センター・病理科)
抄録 【目的】転移性胃腫瘍は比較的まれな疾患であり,本邦での悪性腫瘍剖検例において,固形癌の胃転移例の頻度は2.3~5.4%と報告されている.しかし,これらが生前に臨床的に診断されることは少なく,剖検例で胃転移が確認されたもののうち,生前に内視鏡下生検にて胃転移が診断されていたものは13.8%と報告されている.当院で内視鏡下生検にて診断しえた転移性胃腫瘍について検討した.【対象と方法】2004年から2012年に当院で内視鏡下生検病理診断にて転移性胃腫瘍と診断した10例を対象とし,患者背景,原発臓器,臨床症状,内視鏡所見,病理学的診断の根拠について検討した.【結果】患者背景は年齢中央値67.5歳(55~77歳),全例男性であった.原発巣は肺癌6例,悪性黒色腫1例,膵癌1例,胆管癌1例,食道癌1例であった.内視鏡検査の契機として,臨床症状を認めた症例は7例であり,3例が貧血の進行,嘔気が2例,吐血が2例であった.胃腫瘍の存在部位は,胃上部(U)単発が3例,中部(M)単発が2例,下部(L)単発が2例,M~L領域に多発するものが2例,全域に多発するものが1例であった.肉眼型は,SMT様病変が6例,原発胃癌様病変が3例(1型様1例,2型様2例),黒色斑が1例であった.病理学的診断の根拠としては,HE染色にて9例が診断可能であり,1例ではTTF-1の免疫染色追加にて診断しえた.【結論】他臓器癌を有する患者あるいはその既往のある患者において,SMT様隆起や原発胃癌類似の胃腫瘍を発見した場合には転移性胃腫瘍の存在も念頭に入れる必要がある.他臓器癌を有する患者において腹部症状を認めた際には転移性胃腫瘍も念頭に入れる必要があると考えられた.
索引用語 転移性胃腫瘍, 胃癌