セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-腫瘍2

タイトル 内P-190:

造影CT-gastrographyが診断に有用であった異常血管による胃粘膜下腫瘍の1例

演者 松浦 秀司(国立九州医療センター・放射線科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター)
共同演者 原田 直彦(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 隅田 頼信(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 原口 和大(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 岡本 梨沙(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 柿ヶ尾 佳奈(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 山口 恵梨子(国立九州医療センター・消化器内科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 池尻 公二(国立九州医療センター・外科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター), 安森 弘太郎(国立九州医療センター・放射線科DELIMITER国立九州医療センター・臨床研究センター)
抄録 MDCTの普及に伴いCT-colonographyは次第に普及しつつあるが胃3DCT(CT-gastrography)の報告はいまだ少数である.当施設では胃病変の精密検査にCT-gastrographyを積極的に施行しているが,今回粘膜下腫瘍の形態を呈した胃異常血管の診断に同検査が有用であったので報告する.症例は70代男性,体重減少に対する消化管検査目的で近医より当院紹介受診,上部消化管内視鏡で胃体下部前壁に径2cm程の広基性だが有茎状の粘膜下腫瘍を認めた.同病変はクッションサイン陽性であったが,超音波内視鏡では詳細の判断困難であった.同病変に対し全身スクリーニングを兼ねた造影CT-gastrographyを施行した.鎮痙剤は使用せず,経口で発泡剤1包(3.5g)内服にて胃を拡張した後にただちにルーチン腹部造影CTと同様の条件でCTを撮像しボリュームデータを収集,ワークステーション上で仮想内視鏡・仮想胃透視・病変に垂直な断面のMPR像を作成,評価した.仮想内視鏡では通常内視鏡と非常に類似した画像が得られ,仮想胃透視では胃全体に対する病変の局在の把握に有用であった.MPR像では病変内部に拡張蛇行した1本の異常動脈が明瞭に描出された.また壁の透過度を低下させて壁内の動脈が透見できる様な条件で作成した仮想内視鏡ではこの粘膜下腫瘍が異常動脈によるものである事が視覚的に非常に理解可能となる画像が得られた.CT-gastrographyは簡便で侵襲度が低く1回の検査で非常に多量の情報が得られるといった胃病変の精密検査に有用な検査で,造影CTと併用することで特に血管異常については非常に有用な情報を提供するものと思われた.
索引用語 胃粘膜下腫瘍, CT-gastrography