セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-手術

タイトル 内P-191:

当院における腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除(LECS)の経験

演者 高畑 彩子(川崎幸病院・消化器病センター)
共同演者 十倉 淳紀(川崎幸病院・消化器病センター), 岡本 法奈(川崎幸病院・消化器病センター), 堀野 誠(川崎幸病院・消化器病センター), 眞田 和賢(川崎幸病院・消化器病センター), 藤原 裕之(川崎幸病院・消化器病センター), 大前 芳男(川崎幸病院・消化器病センター), 池田 博斉(川崎幸病院・消化器病センター外科), 関川 浩司(川崎幸病院・消化器病センター外科)
抄録 【はじめに】胃粘膜下腫瘍(SMT)に対し, 鏡視下楔状切除術が広く行われている. しかし腫瘍の場所によっては切除範囲を正確に決定することが困難となる場合や,余剰胃切除によって術後に胃の変形を来たし機能障害を起こす可能性がある. このような事態を防ぐために, 近年内視鏡的粘膜下層剥離術を用いて切除線を決定し, 胃局所切除を行うLECSが考案された. 今回われわれは, 当院においてLECSを施行された5cm以下のSMT2例について報告する.【症例1】76歳男性. 健診で2年前よりSMTを指摘されていた. 2年後の経過観察時に胃穹窿部に10mm大のSMTを認め, 生検でGISTの診断となり, 当院にてLECSを行った. 【症例2】 69歳男性. 胃がん健診で見つかった体上部前壁の20mm大のSMTに対し生検を行った結果, GISTの診断となり, 当院にてLECSを行った.【考察】当院ではGIST診療ガイドラインに準じ, 2cmから5cm大のSMTもしくは2cm以下でも生検で診断のついたGISTに対してLECSを行う方針としている. 平均手術時間は166分, 出血量は少量で, 術中・術後に合併症は生じなかった. また2例とも現在までに明らかな胃の機能障害は認められていない. LECSは壁内外から腫瘍を確認し, 胃の切除範囲を必要最小限にとどめることができるため胃機能温存が可能で, かつ通常の腹腔鏡では切除が難しい噴門近くの病変も容易に切除できる, 有効な手段と考えられた.
索引用語 LECS, 胃粘膜下腫瘍