セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-手術

タイトル 内P-192:

胃癌手術における術中内視鏡に関する手技上の新たな工夫

演者 長浜 雄志(豊島病院・外科)
共同演者 安藤 昌之(豊島病院・外科), 藤谷 啓一(豊島病院・外科), 天笠 秀俊(豊島病院・外科), 高崎 淳(豊島病院・外科), 上小鶴 弘孝(豊島病院・外科), 鴈野 秀明(豊島病院・外科), 阿美 克典(豊島病院・外科), 福田 晃(豊島病院・外科), 荒井 邦佳(豊島病院・外科)
抄録 表在癌の外科切除を行う際,口側断端の確実な確保は手技上最も重要な要素であり,マーキングclip点墨などによって口側を想定して切離操作が行われる.術中内視鏡により病変口側に装着したclipを確実に切除側に誘導するのが最も確実な方法と考える.しかし胃体部小弯に病変が存在する場合,内視鏡を挿入した状態では縫合器を噴門直下小弯から大弯側に誘導しなくてはならず通常の開腹創では手技的に困難である.特に腹腔鏡下胃切除の場合には創が小さいため難渋する.今回多幾山らが考案した食道バイパス術の際のY字型胃管作成術にアイデアを得て,新たな方法を考案した.(方法)術中内視鏡は通常幽門側の切離,胃周囲の郭清操作が終了した段階で挿入される.体部小弯の病変を観察する場合には大弯側に沿って進め,見上げるかたちで観察するため大弯側から小弯に向けて縫合器をかけることができない.一方噴門直下から大弯に向けて縫合器をかけることは,角度の関係できわめて困難である.この問題を解決するために,内視鏡観察下に病変とは離れた胃体部にcircular staplerを貫通させて胃体部前後壁を打ち抜き孔を作成する.この孔から噴門側に向けて縫合器を挿入すると角度上も容易に挿入することが可能で,内視鏡観察下に縫合器の位置を調整して確実に切除側にマーキングclipを誘導することが可能である(考察)食道バイパス術施行時にY字型胃管を作成するには,従来は大弯側を完全に授動した上で弓隆部から縫合器を装着していた.しかし多幾山がPostlethweitらの術式を改良し幽門部にcircular stapler による小孔を作成して頭側に向けて縫合器を挿入することで,より容易にY字型胃管を作成することが可能な方法を報告した.本法はこの方法を応用してののであるが,先行して縫合器挿入用の小孔を作成することで,縫合器挿入の際角度の制約が無くなり内視鏡観察下に確実に体部小弯の病変の切除が可能になるものと考える.
索引用語 胃切除, 術中内視鏡