セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-手術

タイトル 内P-193:

胃腫瘍に対する新たな胃全層切除術~非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除術(Non-exposed Endoscopic Wall-inversion Surgery; NEWS)の臨床導入~

演者 新美 惠子(東京大附属病院・光学医療診療部DELIMITER東京大附属病院・消化器内科)
共同演者 三ツ井 崇司(東京大附属病院・胃・食道外科), 藤城 光弘(東京大附属病院・光学医療診療部DELIMITER東京大附属病院・消化器内科), 後藤 修(慶應義塾大・腫瘍センター), 愛甲 丞(東京大附属病院・胃・食道外科), 山下 裕玄(東京大附属病院・胃・食道外科), 畑尾 史彦(都立多摩総合医療センター・外科), 和田 郁雄(東京大附属病院・胃・食道外科), 清水 伸幸(東京大附属病院・胃・食道外科), 瀬戸 泰之(東京大附属病院・胃・食道外科), 小池 和彦(東京大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】我々は,ESD技術を応用し軟性内視鏡と腹腔鏡を用い胃内腔を管外に露出させずに胃壁を全層切除するNon-exposed Endoscopic Wall-inversion Surgery (NEWS)を考案した(Gastric Cancer 2011).胃を穿孔・虚脱させないため,播腫を危惧することなく必要最低限の切除範囲で局所切除が可能であり,動物実験を経て臨床導入を開始した.胃粘膜下腫瘍(SMT)に対するNEWSの手技と治療成績について報告する.【方法】2011年4月から2013年3月に,増大傾向もしくは病理学的にGISTと診断された30mm以下の腔内発育型の胃SMT6例(男/女3/3例,平均年齢62.6歳)に対し,倫理委員会承認のもとNEWSを施行した.全身麻酔下にポート留置,大網処理し,腹腔側から病変周囲を露出させた.内視鏡で周囲マーキング後,内視鏡ガイド下に腹腔鏡で漿膜マーキング,内腔より局注し腹腔鏡で漿膜筋層を全周切開し,病変を内反させつつ漿膜筋層を直線状に手縫い縫合した.最後に内視鏡で粘膜を全周性に切開し病変を切離,病変は経口的に回収した.【結果】平均切除径37.3mm(28-48),平均病変径24.5mm(17-30),平均術時間257分(140-397),平均出血量71.2g(0-250)であり,全て一括完全切除された.導入初期3例に胃内外が交通し穿孔を認めた以外,重篤な偶発症は認めなかった.術後平均3.2日より経口摂取開始し,平均術後入院日数7.3日(7-8)であった.【結論】NEWSは必要最低限の切除が可能な低侵襲な胃局所切除法であることが示唆された.適応については,SMTのみならず,ESD困難なリンパ節転移のない早期胃癌に対しても有効と考えられるが,今後さらなる症例の蓄積が望まれる.
索引用語 胃局所切除法, 非穿孔式内視鏡的胃壁内反切除