セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

胃-手術

タイトル 内P-197:

当院において内視鏡と外科の合同手術を施行した2例

演者 亀井 昭(国立三重中央医療センター・消化器科)
共同演者 子日 克宣(国立三重中央医療センター・消化器科), 渡邉 典子(国立三重中央医療センター・消化器科), 長谷川 浩司(国立三重中央医療センター・消化器科), 横井 一(国立三重中央医療センター・外科)
抄録 (はじめに)近年胃の粘膜下腫瘍を中心に,内視鏡と外科の合同手術の報告がなされている.今回,当院にて経験した内視鏡外科合同手術の2例を報告する.(症例1)80才女性,大腸ファイバーにて歯状線にかかる60mm大のLST-Gを指摘され,生検で腺腫と診断.大腸ESDでは歯状線近傍の処置が困難な可能性があり,外科にて経肛門的局所切除術を依頼したが,口側の切除が困難とのことで,ESDと経肛門的局所切除の合同手術を施行した.手術は全身麻酔下にまず大腸ESDにて病変の口側の粘膜切開とトリミングを施行した.その後ローンスターリトリクターにて視野展開し,直視下で外科的に局所切除術を施行し病変を一括切除した.切除面を手縫いで縫縮し終了した.(症例2)65才女性,前医にて胃体上部大湾に25mm大のSMTを指摘され,ボーリングバイオプシーにてGISTと診断.EUS等にて壁内発育型のGISTであり,噴門の機能温存のため,腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)を施行した.全身麻酔下にまず腹腔鏡下に胃体上部後壁周辺の脂肪組織を剥がしたのち,内視鏡的にSMT周辺を全周切開し,肛門側約3分の1を漿膜筋層切開した.次いで腹腔鏡下に超音波凝固切開装置にて,ESDにて設定した切除線に沿って切開した.病変を切除摘出後,切除部位を自動吻合器で閉鎖して終了した.(まとめ)外科手術の際にESDを併用することで,病変の切除線が明確化し,必要十分な局所切除が可能となった.内視鏡と外科の合同手術は特別な機器は必要なく,内視鏡医と外科医の連携が十分にとれれば,当院のような一般病院でも施行可能と考えられた.
索引用語 合同手術, ESD