セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)胃-症例1 |
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タイトル | 内P-198:当院における多発胃癌症例の胃粘膜下異所腺についての検討 |
演者 | 嶋吉 章紀(関西労災病院・消化器内科) |
共同演者 | 中村 剛之(関西労災病院・消化器内科), 土居 哲(関西労災病院・消化器内科), 吉水 祥一(関西労災病院・消化器内科), 小豆澤 秀人(関西労災病院・消化器内科), 戸田 万生良(関西労災病院・消化器内科), 糸瀬 一陽(関西労災病院・消化器内科), 柄川 悟志(関西労災病院・消化器内科), 望月 圭(関西労災病院・消化器内科), 伊藤 善基(関西労災病院・消化器内科), 萩原 秀紀(関西労災病院・消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】胃癌の診断と治療において,多発例の存在は臨床的に大きな問題となる.多発胃癌のリスクファクターとして年齢や性別などの患者背景に加えH.pyloriによる慢性胃炎などが挙げられるが,切除標本における胃粘膜下異所腺の存在が病理学的な因子として注目されている.胃粘膜下異所腺とは粘膜下層に非腫瘍腺管が発生する病態をいい,中高年の男性に多く穹窿部から胃体部に好発し,切除胃例の4.0~5.6%に認めるとされる.今回我々は内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)にて治療した多発胃癌の切除標本を再検鏡し,多発のリスクとの関係を後方視的に検討した.【方法】2005年2月から2013年2月までに当院当科でESDを施行した異時性あるいは異所性の多発胃癌症例17例について,病理学的に粘膜下異所腺が存在するかを再検索し,それらについて検討を行った.【成績】粘膜下異所腺は3例(17.6%)に確認された.いずれも病変の直下あるいは近傍に確認された.ピロリ感染はいずれも陽性であった.(症例1)70歳代男性,胃角部小弯,10mmのIIa+IIc病変,深達度M,及び胃体中部小弯,20×17mmの0-I病変,深達度M,及び胃体中部小弯,12×12mmのIIa+IIc病変,深達度M.粘膜下異所腺は3番目の病変に確認された.(症例2)60歳代男性,胃体中部前壁のIIa+IIc病変,深達度SM1.及び胃体下部大弯IIa病変,深達度M.共に粘膜下異所腺が確認された.(症例3)50歳代男性,体上部後壁の12×10mmのIIc病変,深達度M,及び前庭部大弯,18mmのIIc病変,深達度SM1,及び前庭部小弯,6mmのIIc病変,深達度M.1つ目の病変に粘膜下異所腺が確認された.なお,上記の組織型は全て高分化腺癌であり,脈管侵襲及び断端はいずれも陰性であった.【結論】多発胃癌症例における粘膜下異所腺の頻度は通常より高い.ESDで得た検体については粘膜下異所腺の評価を行い,それが認められる症例は再発に注意が必要と考えられる. |
索引用語 | 粘膜下異所腺, 胃癌 |